中学サッカー部の高円宮杯を観戦しました。
この日はワールドカップの試合もありました。
正直、サッカー好きとしては気になる試合でした。
でも私は、テレビの前ではなく、中学の試合会場に向かいました。
なぜなら、今このチームがどんな状態で戦っているのか。
どんな場面で崩れ、どんな場面で戻ろうとしているのか。
それを現地で見ておきたかったからです。
結果は2対4の敗戦でした。
スコアだけを見れば、悔しい負けです。
ただ、メンタルコーチの視点で見ると、この試合にはチームの成長の種がいくつもありました。
崩れる。戻る。戻りかける。また崩れる。
試合は、前半15分で0対2になりました。
しかも、1失点目から2失点目まではわずか3分。
この時間帯は、チームとしてかなり揺れたと思います。
先に失点する。
焦りが出る。
声が減る。
守備の距離感が少しずれる。
球際で一歩遅れる。
ポジションが整う前に、また失点する。
サッカーでは、こういう流れがよく起きます。
一つの失点そのものよりも、失点後の数分間でチームの状態が崩れることがあります。
ただ、そのチームはそのまま崩れ続けたわけではありません。
前半終了間際に1点を返しました。
0対2から1対2。
この1点には、大きな意味がありました。
完全に流れを失いかけたところから、もう一度流れを戻そうとする力が見えたからです。
取り返す力はある
後半5分、フリーキックからヘディングで失点し、1対3になりました。
ここでまた苦しい展開になります。
普通なら、心が折れてもおかしくありません。
でも、その1分後でした。
コーナーキックから取り返して、2対3。
この反応は、とても大きかったと思います。
失点した直後に、もう一度相手ゴールへ向かう。
セットプレーで取り返す。
試合を終わらせない。
ここには、今のチームが持っている力が出ていました。
崩れても、戻ろうとする力。
リバウンドメンタリティーとは、崩れないことではありません。
崩れても、もう一度戻ろうとする力です。
その意味で、このチームには、間違いなく戻る力がありました。
0対2から1点を返したこと。
1対3にされた直後に、1分で2対3にしたこと。
2対4になっても、最後まで攻め続けたこと。
これは、ただの敗戦ではありません。
チームの中にある可能性が見えた敗戦でした。
課題は、戻った直後に整えること
一方で、課題もはっきり見えました。
後半10分には、怪我明けのストライカーが投入されました。
チームとして、もう一段ギアを上げたい時間帯だったと思います。
しかし、その少し後の後半12分に追加点を奪われ、2対4。
そのまま試合は終了しました。
最後までよく攻めました。
でも、追いつくことはできませんでした。
この試合を振り返る時、私は一つの時間帯に注目したいと思います。
失点後の3分。
得点後の3分。
交代後の3分。
この数分間で、チームがもう一度整えられるか。
ここが次に伸ばせるポイントだと感じました。
基準は、選手たち自身が決めるから力になる
ただし、大事なのは、指導者やメンタルコーチが一方的に答えを与えることではありません。
「失点後はこうしなさい」
「得点後はこう整えなさい」
そう伝えることも必要です。
でも、本当に力になるのは、選手たち自身が考え、自分たちの言葉で基準を決めることです。
失点後の3分、自分たちは何をそろえるのか。
得点後の3分、どんな声を出すのか。
交代が入った後、誰が何を確認するのか。
守備の距離感をどう整えるのか。
球際の基準をどう上げるのか。
こうしたことを、選手たち自身が話し合い、決めていく。
自分たちで決めた基準は、自分たちで守ろうとしやすくなります。
誰かに言われた約束ではなく、自分たちのチームを強くするための約束になるからです。
ここに、チームが成長する大きな可能性があります。
負けた試合を、ただの反省で終わらせない
育成年代の試合では、勝ったか負けたかに目が行きやすくなります。
もちろん、結果は大切です。
負ければ悔しい。
選手も悔しい。
指導者も悔しい。
保護者も悔しい。
でも、負けた試合を丁寧に見ると、チームの本当の課題と可能性が見えてきます。
どこで崩れたのか。
どこで戻ろうとしたのか。
どの時間帯で揺れたのか。
得点後に、もう一度基準に戻れたのか。
こうしたプロセスの中に、次の成長のヒントがあります。
メンタルコーチの役割は、結果を評価することではありません。
勝ったから良い。
負けたからダメ。
そう見るのではなく、試合の流れの中にある成長の種を見つけること。
そして、それを次の行動に変えることです。
今回の試合で、チームには「戻ろうとする力」があることが見えました。
0対2になっても、1点を返した。
1対3になっても、すぐに2対3にした。
2対4になっても、最後まで攻めた。
これは大きな財産です。
次に育てたいのは、戻った直後に整える力。
その基準を、選手たち自身が考え、言葉にし、自分たちで決めていくこと。
負けた試合にこそ、チームの成長の種が見える。
戻る力はある。
次は、戻った直後に整える力を、選手たち自身の基準として育てていこう。
そう感じた試合でした。
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