リバウンドメンタリティーとは

崩れても戻れる人とチームを育てる

ミスを引きずる。失点して、自分を責める。大事な場面で緊張し、いつものプレーができない。

そんなとき、自分の状態に気づき、心身を整え、次の行動を選び直す力を、私はリバウンドメンタリティーと呼んでいます。

土台にあるのは、「人には本来、崩れても戻る力がある」という考えです。

本人の力を信じ、その力が発揮される関係と環境を育てることを大切にしています。

今、心のコップには何が入っていますか?

心の状態を、コップの中の水に例えてみます。

安心の水は、心の余裕や自信、落ち着き。
不安の水は、焦りや心配、恐れ、プレッシャーです。

安心を感じられるときは、周囲を見たり、落ち着いて判断したりしやすくなります。

一方、不安が大きくなると、失敗ばかりが気になり、身体が硬くなったり、挑戦をためらったりすることがあります。

不安があること自体は自然です。緊張が集中を助けることもあります。

大切なのは、不安をゼロにすることではなく、「今、自分はどんな状態だろう」と気づくこと。そこから、自分に必要な整え方や支えを考えていきます。

※心のコップは、心の状態を理解するための比喩です。安心と不安が必ず反比例することや、その割合を正確に測定できることを示すものではありません。

戻る力を支える「安心×基準」

「失敗しても、自分の価値は変わらない」

そう感じられる関係を、私は「安心の土台」として大切にしています。

勝ちたい。成長したい。チームの役に立ちたい。
その願いと、「結果を出さなければ自分には価値がない」という考えは、分けて扱いたいと思っています。

プレーや行動には、改善を求める。
失敗した本人への尊重は変えない。

例えば、守備の約束事は具体的に確認し、改善を求める。その一方で、ミスをした選手の人格を否定したり、仲間としての関わりを断ったりしない。

試合に出るための基準と、人として大切にされることも別です。出場を約束することではなく、出場できないときにも本人への尊重を変えないということです。

この「安心×基準」が、挑戦と振り返りを支える環境づくりの基本です。

出来事と、捉え方を分けてみる

パスを奪われた後、頭の中にどんな言葉が浮かぶでしょうか。

「またミスした。監督に怒られるかもしれない」

そう考えて、不安が増し、次のパスを受けるのをためらうこともあるかもしれません。

こうした経験を整理するときに使うのが、ABCという見方です。

A|出来事
パスを奪われた。

B|捉え方
「またミスした。監督に怒られるかもしれない」

C|心身の反応・行動
不安になる。身体が硬くなる。次のプレーが消極的になる。

「パスを奪われた」という事実と、「怒られるかもしれない」という予想を分けると、今できることを考える余地が生まれる場合があります。

無理に前向きな言葉へ置き換える必要はありません。

心の状態には、疲労や体調、周囲の声かけ、人間関係なども影響します。本人の捉え方だけに解決を求めず、休息や環境の調整、周囲の支えも一緒に考えます。

気づきから、次の行動へ

RMでは、日々の経験を4つの視点から振り返ります。

NOTICE|自分の状態に気づく

今、何を感じ、どう捉えているか。身体はどんな状態か。

「ミスの後、次も失敗することばかり考えている」など、まず今の自分に気づきます。

RETURN|心身を整え、自分の軸に戻る

一度息を吐く。目の前の状況を見る。起きた事実と、自分の予想を分ける。

必要なら周囲の助けも借りながら、今できることへ意識を戻します。

REBOUND|次の行動を選び直す

守備の位置に戻る。味方に声をかける。もう一度パスを受けに動く。

今の自分ができる、具体的な行動を選びます。

VISION|目指す方向を確かめる

どんな選手になりたいか。
どんな仲間でありたいか。

大切にしたいことを確かめ、日々の行動につなげます。

いつも順番通りに行う必要はありません。その場で使える視点から取り組み、後で振り返ることもできます。

周囲の関わりも、安心の土台になる

心を整えることを、本人だけの課題にはしたくありません。

指導者や保護者が話を聞くこと。
仲間が、次のプレーに向かえる声をかけること。
困ったときに相談できる相手がいること。

そうした関係も、本人が持つ力を発揮する支えになります。

ただし、どんな声かけでも安心につながるとは限りません。励ます前に、本人が何を感じているのかを聞く。話すより、少し待つ方がよい場面もあります。

周囲が本人を「戻してあげる」のではなく、本人の力を信じ、必要な支えを一緒に考える。

私自身も、答えを急いでいないか、問いかけが詰問になっていないかを振り返りながら関わっていきたいと思っています。

日々の経験の中で育てる

対話や研修で気づいたことを、練習や試合で試してみる。その経験を振り返り、次の行動を考える。

一度でうまくできなくても、その経験を次の材料にします。

育成年代のサッカーを中心に、学校、家庭、職場でも、自分と相手を大切にしながら挑戦できる関わりを考えていきます。

個人セッションでは、本人の悩みや目標を対話で整理します。
セミナー・研修では、現場の課題を伺い、日常で生かせる考え方や関わり方を学びます。

今、何が起きているのか。
これからどうなりたいのか。

まずは、お話を聞かせてください。

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