0-1で負けた試合に、チームの成長が見えることがある

昨日は0-1で負けた試合でした。

でも、試合を見終わった後に、不思議と前向きな感覚が残りました。

もちろん、負けたことは悔しいです。

選手たちも悔しかったと思います。
監督も悔しかったと思います。
応援していた保護者の方々も、あと少しだったという思いがあったはずです。

それでも、この試合にはチームの成長が見えました。

勝ったか負けたかだけでは、チームの現在地は見えません。

失点後に崩れなかったか。
最後まで押し返せたか。
ピンチの場面で体を張れたか。
苦しい時間帯に、チームとして戻ろうとしたか。

そこに、チームの背骨が表れます。

監督の関わり方に見えた変化

この試合は、監督がA級ライセンスの合宿から戻ってきた直後の試合でした。

私は、試合そのものと同じくらい、監督の関わり方に注目していました。

アップの段階から、雰囲気がよかったのです。

監督自身がアップをリードしていました。
テンポがよく、選手たちの集中も高い。
厳しく締めるというより、寄り添いながら基準をつくっている。

そんな印象を受けました。

これは簡単なことではありません。

安心だけだと、チームはゆるみます。
基準だけだと、選手は萎縮します。

でも、この日の関わり方には、安心と基準の両方がありました。

選手たちに近づきすぎず、離れすぎず。
少し大げさに言えば、よい料理人の火加減のようでした。

強火で焦がすのではなく、弱火で生焼けにするのでもない。
選手たちが試合に向かう温度を、ちょうどよく上げていたように見えました。

「何をやるか」が共有されていた

試合前には、守備、攻撃、そしてチームとしての決めごとが確認されていました。

これは大きいことです。

選手は、気合いだけでは動けません。

どこから守るのか。
誰がどこを見るのか。
攻撃では何を狙うのか。
ボールを失った後に何をそろえるのか。

こうしたことが共有されていると、選手は迷いにくくなります。

この日の試合の入りは、とてもよかったと思います。

集中力が高く、ピンチにも体を張っていました。
相手に押し込まれる時間帯もありましたが、簡単には崩れませんでした。
こちらもチャンスを作れていました。

一方的に耐える試合ではありません。

互いにガードを固めながら、隙を見てパンチを打ち合うような展開でした。

ボクシングで言えば、ジャブを打たれながらも、こちらもカウンターを狙っているような試合です。

私がリングサイドの解説者なら、たぶん少し前のめりになっていたと思います。

白熱した好ゲームだった

前半から、非常に集中力の高い試合でした。

相手にも力がありました。
こちらにもチャンスがありました。
お互いに体を張り、球際で戦い、最後のところで守る。

見ていて、緊張感のある好ゲームでした。

ハーフタイムも、選手同士がよく話していました。

ただ座って休んでいるだけではありません。
自分たちで確認し合い、次に向けて整えようとしていました。

この姿にも、チームの成長が見えました。

指導者に言われるのを待つだけではなく、選手たちが自分たちで試合を動かそうとしている。

育成年代では、こういう時間がとても大切です。

失点後の3分間に、チームの本当の力が出る

後半10分、ミドルシュートで失点しました。

0-1。

こういう時、チームは大きく揺れます。

それまで集中して守っていた。
チャンスも作れていた。
だからこそ、先に失点すると心が動きます。

「やばい」
「取り返さなきゃ」
「このまま負けたらどうしよう」

そういう不安や焦りが出ても不思議ではありません。

そして、サッカーでは失点後の3分間がとても大事です。

ここで集中が切れると、連続失点が起きます。
守備の距離感がずれます。
声が減ります。
球際が半歩遅れます。
判断が雑になります。

でも、この日のチームは崩れませんでした。

ここに、メンタルの成長が出ていたと思います。

失点しても、もう一度守備に戻る。
ボールに向かう。
体を張る。
前を向こうとする。

失点したこと自体は悔しい。

でも、失点後に崩れなかったことは、大きな収穫です。

最後まで押し返した反発力

終盤は、こちらが押し込む時間も増えました。

ポスト直撃のシュートもありました。
ゴール前で押し込む場面もありました。
あと一歩、あと半歩という場面が何度もありました。

相手も必死でした。

こちらが攻め込む。
相手が体を張って守る。
クリアする。
そのたびに相手の応援団が大きく沸く。

それくらい、相手も追い込まれていたということです。

0-1で負けている状況でも、心が折れていない。
最後まで前に出る。
押し返す。
ゴールに迫る。

ここにも、チームの反発力が見えました。

勝てなかったことは悔しい。

でも、最後まで試合をあきらめさせなかったことは、このチームの力です。

安心と基準があると、選手は集中に向かう

メンタルコーチとして、この試合から感じたことがあります。

選手は、ただ厳しくされれば集中するわけではありません。

逆に、ただ優しくされれば伸びるわけでもありません。

大切なのは、安心と基準が両方あることです。

安心があるから、選手は萎縮せずにプレーできます。
基準があるから、緊張感を持って戦えます。

この日のチームには、その両方がありました。

アップから試合前の共有まで、監督が空気を作っていました。
選手たちは、やることを理解して試合に入っていました。
ハーフタイムには、選手同士で話し合っていました。
失点後も崩れず、終盤に押し返しました。

これは偶然ではないと思います。

日常の関わり方。
試合前の共有。
選手同士の対話。
失点後に戻ろうとする空気。

そうしたものが重なって、0-1の敗戦の中にも成長が見えたのだと思います。

勝敗だけでは見えないものを見る

育成年代のサッカーでは、どうしても結果に目が行きます。

もちろん、結果は大切です。

勝負ですから、負けてよかったとは言えません。

でも、勝敗だけでは見えないものがあります。

失点後にどんな表情をしていたか。
誰が声を出したか。
体を張る選手がいたか。
ハーフタイムに選手同士で話せていたか。
終盤に足が止まったか。
それとも、もう一度前に出たか。

そこに、チームの成長が見えます。

今回の0-1の敗戦には、悔しさと同時に、大きな収穫がありました。

崩れても戻れるチーム文化。
リバウンドメンタリティー。

その芽が、確かに見えた試合でした。

もちろん、課題はあります。

決め切る力。
失点場面の寄せ。
終盤の精度。
得点を奪い切るための迫力。

そこは、これからまた積み上げていく必要があります。

でも、チームの背骨は見えました。

0-1で負けた試合に、チームの成長が見えることがある。

この試合は、まさにそういう試合だったと思います。

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