いいセッションの準備は、日常にあった

最近、部屋を少しずつ整えている。

テーマは、ホテルのように心地よい空間にすること。

と言うと、少しおしゃれに聞こえるが、実際は使っていなかったものを引っ張り出して、ああでもない、こうでもないと置き場所を変えているだけである。
ホテルというより、まだまだ「改善途中の一人暮らし部屋」である。(笑)

昨日は、使っていなかったZoom用のサークルライトを、テレビの左側の照明として再利用してみた。
右側には、光るアロマディフューザーを置いた。

すると、部屋の空気が少し変わった。

暖かいオレンジ色の光。
静かなリラックス音楽。
ソファに座って、ふくらはぎをマッサージする。

気づいたら、1時間ほどそのままくつろいでいた。

「これはいいなあ」と思った。

何かを生産しているわけではない。
資料を作っているわけでもない。
誰かに価値を提供しているわけでもない。

ただ、自分が少しずつ整っていく感じがあった。

朝は、ご飯を炊いて、鮭を焼いた。
自家製の大根の漬物と、インスタントの味噌汁。

豪華ではない。
でも、ちゃんと朝ごはんを食べた感じがした。

そのあと、小金井公園を歩いた。

木々の中を歩きながら、ふと、南山紘輝さんのコーチングの話を思い出していた。

私の受け止めでは、コーチングは質問や傾聴やゴール設定だけではなく、コーチ自身の状態も相手との関わりに影響する、という話だった。

それを聞いて、少し考えた。

もちろん、技術は大切である。

質問の仕方。
傾聴の姿勢。
ゴール設定。
アクションプラン。

どれも学ぶ必要がある。

ただ、その技術を使う自分自身が焦っていたり、証明したがっていたり、相手を変えようとしすぎていたら、同じ言葉でも伝わり方は変わるのかもしれない。

私自身も、まだまだある。

相手の話を聞いていて、

「いや、それは違うんじゃないか」
「ここは教えた方がいいんじゃないか」
「自分の価値を示さなければ」

という気持ちが出てくることがある。

困ったものである。
メンタルコーチは、AIではなく人間である。(笑)

でも、その瞬間に気づけるかどうか。

「あ、今、教えたくなっているな」
「あ、今、自分の価値を証明したくなっているな」
「あ、今、相手を急がせようとしているな」

そう気づいて、一呼吸置く。

そして、

「この人には、今どう見えているのだろう」
「この人は、何を大切にしているのだろう」
「この人の中には、どんな力があるのだろう」

という好奇心に意識を戻す。

これが、私にとってのリバウンドメンタリティーの実践なのかもしれない。

気づく。
戻る。
選び直す。

整うとは、いつも穏やかで、完璧な人間になることではないと思う。

そんなことを目指したら、私の場合はかなり早い段階で挫折する。(笑)

そうではなく、焦りや判断に気づいて、もう一度戻れること。

教えたくなる自分に気づく。
相手を変えたくなる自分に気づく。
そして、もう一度、相手の可能性を信じる意識に戻る。

それが大事なのだと思う。

そう考えると、散歩することも、朝ごはんを食べることも、部屋を整えることも、ただの生活ではない。

もちろん、すべてを仕事のための準備にしなくてもいい。
休むことには、休むこと自体の価値がある。

ただ、日常の中で自分が戻る練習をしていることが、結果として、セッションの場にもにじみ出るのかもしれない。

自分が戻ることを知らなければ、相手が戻る力を信じて待つことも難しい。

自分を急がせている人は、相手も急がせてしまう。
自分を責めている人は、相手にも厳しくなりやすい。

これも、私自身まだまだ実践中である。

だからこそ、部屋を整える。
歩く。
ご飯を食べる。
光を少しやわらかくする。
音楽を流す。
ふくらはぎを揉む。

そんな何気ない日常が、実はいいセッションの準備にもなっているのかもしれない。

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