「あなたのため」が、苦しさになる時

最近、ある出来事を通して、

「愛情」と「期待」について、あらためて考えさせられました。

もちろん、親も指導者も、

「苦しめてやろう」

と思って関わっているわけではありません。

むしろ逆です。

「幸せになってほしい」
「失敗してほしくない」
「なんとか力になりたい」

そういう気持ちから関わっていることが、ほとんどだと思います。

私自身も、これまでたくさんそういう関わりをしてきました。

…いや、“してきたつもり”ですかね。

振り返ると、
「心配」という名前のコントロールをしていたことも、きっとあったと思います。

人って、不安が強くなると、

無意識に、

“愛情”と“期待”

が混ざっていくことがあるんですよね。

例えば、

「あなたのためを思って」

と言いながら、

心の奥では、

「ちゃんとしてほしい」
「安心させてほしい」
「期待に応えてほしい」

そんな気持ちが、少し混ざっていく。

これは、親だけではありません。

指導者も。
上司も。
時には夫婦も。

みんな、気づかないうちにやってしまう。

というか、多分、人間だから完全には避けられないんだと思います。

私も、気づくと、

「相手のため」と言いながら、
実は自分が安心したかっただけだった…

そんなことが、いまだにあります。

修行が足りません。

いや、たぶん一生修行中ですね。

そして子どもや選手は、

言葉以上に、

“空気”

を感じています。

「そのままでも大丈夫」

なのか、

それとも、

「期待に応えないとダメなのか」。

その空気を、ものすごく敏感に感じ取っている。

だから時々、人は、

“失敗”そのものより、

「期待を裏切ってしまった」

という感覚で苦しくなることがあります。

最近、大学生の選手と話していた時のことです。

その選手が、

「以前より心が安定してきました」

と言っていました。

何が変わったのか聞くと、

・部屋を片付ける
・スマホを見る時間を減らす
・ネガティブな言葉を減らす
・瞑想をする
・睡眠を整える

そんなことを、少しずつ始めていたそうです。

すると、

以前はミスをすると翌日までぐるぐる考えていたのが、

少しずつ切り替えられるようになってきた、と。

この話を聞きながら、

私は最近、

“整える”というのは、

「心の体幹を育てること」

なんじゃないかと思っています。

人は、整っていない時ほど、不安が強くなる。

不安が強いと、

人をコントロールしたくなる。
期待が強くなる。
そして、自分も苦しくなる。

逆に、

呼吸。
睡眠。
余白。
感謝。

そんな小さな習慣で、少し整ってくると、

「まあ、大丈夫か」

という“間”が生まれてくる。

この“間”って、すごく大事なんですよね。

昔の私は、

不安になると、すぐ何かで埋めようとしていました。

予定を入れる。
アドバイスする。
何とかしようとする。

今思うと、かなり“前のめり系メンタルコーチ”でした。

たぶん選手からすると、

「西田さん、ちょっと近いです」

みたいな時もあったと思います。

反省です。

だから最近は、

子どもを変えようとする前に。
選手を変えようとする前に。

まず、大人自身が整う。

それが実は、一番大事なんじゃないかと思っています。

私自身、まだまだ探求中です。

普通に揺れます。

いや、“普通に”じゃないですね。

結構揺れます。

でも最近は、

「揺れないこと」

より、

“戻れること”

の方が大切なんじゃないかと思うようになりました。

崩れない人になるのではなく、

崩れても戻れる人になる。

その方が、人にも優しくなれる気がしています。

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