― 選手・指導者・保護者がつながったとき ―
4月、あるチームで一つの変化が起きました。
きっかけは、「声」をテーマにしたグループセッションでした。
■失点したとき、選手の頭の中では何が起きているのか
セッションではまず、
試合中の「声」に焦点を当てました。
特にテーマにしたのは
失点した直後、選手は自分にどんな声をかけているのかです。
2人1組で話し合ってもらうと
さまざまな言葉が出てきました。
「何してんだよ俺」
「またやってしまった」
「このままだと負けるかも」
こうした声を分類していくと
・自分を責める
・未来への不安
・焦り
が多くを占めていました。
中には
不安の割合が80%、90%、100%に近い選手も少なくありませんでした。
■パフォーマンスを左右するのは「心の状態」
ここで大切なのは
選手はサボっているわけでも、意識が低いわけでもないということです。
「心の状態」がそうさせているのです。
不安が増えると、体は動かなくなります。
判断は遅れ、プレーは消極的になります。
逆に、安心が増えると
本来持っている力が自然に発揮されます。
つまり
技術や戦術の前に
どんな「心の状態」でプレーしているかが重要です。
■そのまま保護者会へつなげた理由
今回の取り組みで意識したのは
この流れを「そのまま保護者にも共有すること」でした。
グループセッションの翌々日に保護者会を実施し
選手たちのリアルな状態をそのまま伝えました。
ポイントは
時間差をつくらなかったことです。
現場で起きていることを
そのままの温度で共有する。
これによって、理解が揃っていきます。
■保護者に体験してもらったこと
保護者会では
まず「どう関わるか」を2人1組で話し合ってもらいました。
テーマはシンプルです。
どうすれば子どもの不安を減らし、安心を増やす関わりができるか
その後、実際に2人1組で体験してもらいました。
・最近、子どもが頑張っていたことを話す
・もう一人はアドバイスをせず、ただ聴く
そして、聞いてもらった側の感想を共有。
多くの保護者が
「ちゃんと聴いてもらうだけで安心する」
という感覚を実感していました。
■「安心の水を注ぐ」という関わり
子どもは、安心の中でこそ力を発揮します。
逆に、不安が溜まった状態では
どれだけ正しいことを言っても、なかなか届きません。
だからこそ大切なのは
アドバイスよりも先に
話を聴くことです。
それが結果的に
「安心の水を注ぐ関わり」になります。
■チームが変わるときに起きていること
今回の一連の流れで起きていたのは
・選手が自分の状態に気づく
・指導者が選手の内側に気づく
・保護者が関わり方に気づく
という変化でした。
つまり
選手・指導者・保護者が同じ方向を向いたのです。
チームは、個人の集まりではありません。
関わる大人たちの方向が揃ったとき
はじめて安定した土台ができます。
■崩れないチームではなく、戻れるチームへ
試合では必ず崩れる瞬間があります。
ミスもするし、流れも悪くなる。
だから目指すべきは
崩れないことではなく
崩れても戻れることです。
そのために必要なのは
技術でも戦術でもなく
安心できる関係性と、内側の声です。
■最後に
もし現場で取り入れるとしたら、
まずはこの問いから始めてみてください。
「今、この選手は自分にどんな声をかけているだろうか?」
そしてもう一つ。
「その声を変えるために、どんな関わりができるだろうか?」
小さな問いですが、
ここからチームは変わり始めます。
(今回のようなグループセッションや保護者向けの対話の場も行っています。関心のある方はお気軽にご連絡ください。)
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