指導者向け勉強会「コーチングラボ」実践レポート③
テーマ:能動的傾聴とフィードバック
先日行われたコーチングラボのセッションでは、参加者同士が前回の学びや現場での実践を振り返りながら、指導の工夫や課題を共有しました。現場での取り組みはそれぞれ異なりますが、共通して「選手が安心して挑戦できる環境づくり」が大きなテーマとなっていました。
現場からの実践共有
ある指導者は、ジュニア年代のチームで「心理的安全性」と「基準づくり」を両立させる工夫を報告。別の指導者は、中学校の部活動においてメンタルコーチングを取り入れ、生徒たちの自律性を育てる実践を紹介しました。
グループディスカッションでは、
- 自分軸と他人軸のバランス
- 名前を呼ぶことの効果
- 抽象的な問いかけに対する選手の反応
などが話題に上がり、日々の指導に活かせる気づきが多く共有されました。
能動的傾聴の重要性
今回のセッションで特に取り上げられたのは「能動的傾聴」です。
指導者が意識すべきなのは、言葉だけでなく 表情・声のトーン・仕草・態度・体の向き・距離感 といった非言語的なサイン。これらを丁寧に観察しながら「聞く姿勢」を整えることが、選手の本音を引き出す第一歩となります。
さらに、能動的傾聴はただ「聞く」だけでなく、
- 現状を把握し課題を明確にする
- 理想的な状態をイメージする
- 具体的なアクションプランを立てる
という3段階のプロセスと組み合わせることで、より実践的な指導に結びついていきます。
次回までの実践課題
参加者には次の課題が提示されました。
- 指導現場で「聞く・感じる・確かめる」を意識した能動的傾聴を実践する
- 伝える要素は1割にとどめ、残りの9割は聞く・感じる・確かめるにあてる
- 選手一人ひとりに声をかけ、心理的距離を縮める
これらを繰り返すことで、指導者自身の関わり方が変わり、選手の内発的な動機づけや行動変容につながっていきます。
まとめ
今回のコーチングラボでは、指導者が「どれだけ話すか」ではなく「どれだけ聞けるか」が問われました。
能動的傾聴と適切なフィードバックを通じて、選手は自ら考え、主体的に成長していく力を育んでいきます。