大一番で緊張するのは、メンタルが弱いからではない

個人セッションをしていると、よく出てくる話がある。

大事な試合になると緊張する。
身体が固くなる。
普段通りのプレーができなくなる。

これをすぐに「メンタルが弱い」と片づけるのは、少し違う気がしている。

大一番で緊張するのは、悪いことではない。

それだけ、その試合を大切にしているということでもある。
本気だからこそ、心も身体も反応する。

問題は、緊張することではない。

緊張に飲み込まれてしまうことだと思う。

ある選手とのセッションでも、そんな話になった。

大きな舞台になると、

「ミスしてはいけない」
「負けられない」
「結果を出さなければいけない」

という言葉が頭の中に出てくる。

すると、身体は固くなる。
視野も狭くなる。
いつもの思い切りが出にくくなる。

一方で、調子が良かった試合を振り返ると、少し違う言葉があった。

「チャレンジしよう」
「楽しもう」
「思い切ってやろう」

同じ選手でも、頭の中の言葉が変わると、身体の動きも変わる。

能力が急に上がったり下がったりしているわけではない。
心と身体の状態が、プレーを変えているのだと思う。

だから、まず大事なのは気づくこと。

「あ、今ちょっと固くなっているな」
「呼吸が浅いな」
「負けられない、に持っていかれているな」

これが NOTICE
気づく、である。

気づけないものは、整えられない。

次に、戻る。

深呼吸する。
視線を上げる。
姿勢を整える。
足元の感覚に戻る。

そして、自分に問い直す。

今、自分がコントロールできることは何か。

「絶対にミスできない」から、
「まずこのプレーを丁寧にやろう」へ。

これが RETURN
戻る、である。

そして、もう一度動き出す。

緊張がゼロにならなくてもいい。
不安が少し残っていてもいい。

その状態のまま、次のプレーを自分で選ぶ。

これが REBOUND
再び動き出す、である。

試合のメンタルは、試合当日だけで作られるものではない。

日常の呼吸。
睡眠。
部屋の状態。
スマホを見る量。
普段使っている言葉。

そういう小さなものが、意外と試合の自分につながっている。

情報を入れすぎない。
人の評価を浴びすぎない。
不安を増やす材料から少し距離を置く。

それだけでも、心の余白は少し戻ってくる。

これは私自身にもよくある。

スマホを見すぎて、心がざわついてから反省することは多い。
まったく、人には言うのに自分はまだまだである。(笑)

緊張をなくす必要はない。

緊張している自分に気づく。
呼吸や姿勢で自分に戻る。
そして、今できることを選ぶ。

大事な場面の前、あなたの頭の中にはどんな言葉が流れているだろうか。

「ミスしてはいけない」だろうか。
それとも、「今できるをやろう」だろうか。

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