「もっと自分で考えてほしい」
サッカーの指導者なら、一度はそう思ったことがあるのではないだろうか。
指示を待つのではなく、自分で判断する。
失敗しても、次にどうするかを自分で考える。
そんな選手を育てたい。
先日、ある高校サッカーチームの新シーズンに向けたスタッフミーティングに、進行役として参加した。
今シーズンの成果や課題を振り返りながら、来シーズンの目標、練習環境、スタッフの役割などについて話し合った。
その中で、私自身もいろいろと考えさせられた。
まず、これまでの取り組みの中で、練習前の集合や靴を揃えるといった日常の行動基準が、少しずつ定着してきたことが共有された。
こうした積み重ねは大切だと思う。
ただ、ここからさらに成長していくためには、「言われたからやる」から「自分たちで考えてやる」への変化も必要なのかもしれない。
そこで、新シーズンのチーム目標やスローガンは、選手たち自身が話し合って決める方向性を確認した。
大人が正解を与えるのではなく、選手が自分たちの言葉で目標をつくる。
もちろん、任せっぱなしにするわけではない。
必要なところでは大人が問いを投げかけ、一緒に考える。
もう一つ、印象に残ったのがカテゴリーの違いを超えた関わり方だった。
サッカーでは、カテゴリーが上がればうれしいし、下がれば悔しい。
そこで自信をなくしてしまう選手もいる。
だからこそ、カテゴリー変更の理由や期待を丁寧に伝えること。
そして、普段は別々に活動する選手たちにも、互いに関わる機会をつくっていくこと。
そんな方向性が共有された。
カテゴリーは違っても、同じチームの仲間である。
今どこに所属しているかと、その選手自身の価値は別のもの。
大人がそのことを、言葉だけでなく日頃の関わり方で伝えていくことが大切なのだと思う。
そして今回、私が一番考えさせられたのは、スタッフ同士の関係である。
監督にもコーチにも、それぞれの経験や考え方がある。
当然、意見が違うこともある。
でも、目線を揃えるとは、全員が同じ意見になることではない。
何を選手に任せるのか。
どこで大人が支えるのか。
何をチームとして大切にするのか。
そこを話し合い、確かめ合うことなのだと思う。
私自身も、つい自分の考えを伝えたくなる。
人には「相手の話を聴くことが大切」と言いながら、自分が一番しゃべっていたら困ったものである。(笑)
だから、大人にも安心して本音を話せる時間が必要なのだろう。
うまくいかなかったことも言葉にできる。
意見が違っても、相手の考えを聴ける。
そして、次はどう関わってみようかと考え直せる。
これは、私が取り組んでいるリバウンドメンタリティーにもつながっている。
選手だけでなく、大人も立ち止まり、気づき、もう一度選び直す。
そんな姿が、少しずつチームの文化になっていくのかもしれない。
今回話し合ったことは、まだこれから実践する段階である。
思い通りにいかないことも、きっとあるだろう。
その時にまたスタッフで集まり、考え直せばいい。
選手の主体性を育てることは、大人が手を離すことではない。
選手が自分で考え、挑戦できる環境を、大人も一緒に育てていくこと。
私自身も、まだまだ学びの途中である。
「選手に自分で考えてほしい」と願う時、私たち大人は、まず何を話し合っておくといいのだろうか。



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