ミスをした直後、反省の前にできること

ミスの後、子どもは自分に何と言っているだろう

サッカーをしている子どもを見ていると、ミスの後の反応が気になることがあります。

保護者として、
指導者として、
あるいは選手本人として、

「ミスを引きずっているな」
「次のプレーに戻れていないな」
「自分を責めすぎているかもしれない」

と感じる場面があるかもしれません。

先日、大学生年代の選手たちと、ミスの後にどう戻るかを考えるセミナーを行いました。

テーマは、リバウンドメンタリティー。
簡単に言えば、崩れないことを目指すのではなく、崩れた後にもう一度戻る力を育てていく考え方です。

サッカーでは、ミスは必ず起こります。

パスミス。
トラップミス。
判断の遅れ。
失点につながるプレー。

その瞬間、頭の中ではいろいろな言葉が流れます。

「また失敗するかもしれない」
「自分はダメだ」
「なんであんなことをしたんだ」

こうした言葉が出てくること自体は、とても自然なことです。
悔しさも、責任感も、成長したい気持ちがあるからこそ出てくる。

ただ、プレー中に頭の中の反省会が始まると、なかなか閉会してくれません。

しかも、その反省会が長引くほど、目の前のプレーに意識を向けにくくなることがあります。

「いったん脇に置く」は、なかったことにすることではない

セミナーでは、出来事そのものと、それをどう捉えたかを分けて考えました。

ミスをした。
これは出来事です。

その後に、

「またやるかもしれない」
「自分はダメだ」
「もう使われないかもしれない」

と考える。
これは、出来事に対する捉え方です。

まず、その考えに気づく。
これがNoticeです。

「あ、今、自分を責める言葉が出ているな」
「次もミスするかも、と思っているな」

そう気づくだけでも、少し距離が生まれます。

その上で、呼吸に意識を向ける。
足の裏の感覚に戻る。
味方の位置を見る。
次に必要なプレーへ意識を向ける。

これがReturnです。

ここで大事なのは、ミスをなかったことにするわけではない、ということです。

「いったん脇に置く」とは、責任を放棄することではありません。
振り返るタイミングを選ぶことです。

安全に関わることや、その場で対応が必要なことは、もちろんすぐに対応する必要があります。

でも、プレー中にずっと自分を責め続けていると、次のプレーに戻れなくなることがある。

だから、まず戻る。
そして、落ち着いてから振り返る。

反省する力と、戻る力。
どちらも大切なのだと思います。

大人の声かけも、「戻る入口」になる

保護者や指導者の声かけも、選手が戻るきっかけになることがあります。

たとえば、ミスの直後なら、

「次のプレーで、何に意識を向けようか?」

という声かけが合うこともあります。

一方で、少し落ち着いた後なら、

「何が起きて、次はどうしてみたい?」

と一緒に整理することもできます。

もちろん、これが唯一の正解ではありません。
その選手の状態や関係性によって、必要な言葉は変わります。

同じ言葉でも、声のトーンや表情によっては、励ましにもなれば、プレッシャーにもなる。

ここが難しいところです。
私自身も、言葉を選んでいるつもりで、顔が思ったより真剣になりすぎていることがあります。
なかなか油断できません。(笑)

大切なのは、ミスを責めるか、見逃すかの二択ではないということ。

ミスは具体的に振り返る。
でも、自分の存在価値まで責め続けなくていい。

「次はどうするか」を考えるためにも、まず目の前のプレーに戻る力が必要です。

ミスから学ぶことは大切です。
でも、ミスの直後に必要なのは、反省より先に、次の一歩に戻ることかもしれません。

まず戻る。
落ち着いてから学ぶ。

選手がミスの後も次のプレーに向かえるように、私たち大人も、どんな言葉がその子の戻る入口になるのかを、一緒に探していきたいと思います。

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