同じようにトレーニングしていても
同じように試合に出ていても
伸びていく選手と
どこかで止まる選手がいる。
その違いはどこにあるのだろうか。
技術か。フィジカルか。環境か。
もちろんそれもある。
ただ現場で見ていると
もう一つ明らかな違いがある。
それは
崩れたあとに戻れるかどうかである。
トップレベルの選手でも
必ず状態は崩れる。
ミスをする。
評価が下がる。
思うようにいかない。
問題はそこではない。
そのあと
どれくらいの時間で戻れるか。
ここに大きな差がある。
ではなぜ
戻れる選手と戻れない選手がいるのか。
そのヒントの一つが
愛着スタイルにある。
人は幼い頃の関わりの中で
自分は大丈夫か
人は信頼できるか
を無意識に学習している。
話を聞いてもらえた
感情を受け止めてもらえた
一貫して関わってもらえた
こうした経験が積み重なると
自分は大丈夫
人も大丈夫
という土台ができる。
この土台を持っている選手は
崩れても
どこかで自分に戻ることができる。
一方で
認められるか不安
人に頼れない
評価が気になる
こうした状態が強いと
崩れたあとに
戻るのに時間がかかる。
ここで一つ誤解がある。
一流選手は
最初から安定しているわけではない。
不安が強い選手もいる。
人に頼れない選手もいる。
ただし違いがある。
それは
戻る手段を持っているかどうかである。
呼吸を整える。
思考を整理する。
自分の軸に戻る。
やり方は人それぞれだが
必ず自分なりの戻り方を持っている。
そしてその多くは
ルーティンという形で現れている。
試合前に同じ行動をする。
プレーの合間に呼吸を整える。
決まった言葉を自分にかける。
これらはすべて
自分の状態に戻るためのスイッチである。
ルーティンというと
集中するための儀式のように見えるかもしれない。
しかし本質は違う。
ルーティンとは
良い状態を作るものではなく
自分に戻るための手段である。
だからこそ
一流選手ほど
自分なりのルーティンを持っている。
それは特別なものではない。
むしろ
シンプルで
繰り返せるものが多い。
重要なのは
何をやるかではなく
それによって自分が戻れるかどうかである。
ではこの力は
どうすれば身につくのか。
結論はシンプルで
関わりの中で育つ。
否定されない。
話を聞いてもらえる。
整理してもらえる。
一貫した関わりがある。
こうした環境の中で
人は少しずつ
戻る感覚を身につけていく。
これは特別な才能ではない。
後天的に育てることができる力である。
指導の現場で大切なのは
選手を崩さないことではない。
崩れたときに
どう戻れるかを一緒に作ることである。
この視点を持つと
選手の見方が変わる。
関わり方が変わる。
そして結果が変わる。
一流の違いは
特別な能力ではない。
戻る力である。
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