同じように指導しているのに
なぜ選手の反応はこんなにも違うのだろう。
すぐに不安になる選手もいれば
何も言わなくなる選手もいる。
強く反発する選手もいれば
落ち着いて受け止める選手もいる。
これは性格の問題なのだろうか。
実はここに
とても大切な視点がある。
それが
「愛着スタイル」という考え方である。
前回の記事では
愛着スタイルを4つに分けて整理した。
・安定型
・不安型(とらわれ型)
・回避型(拒絶型)
・混乱型(恐れ・回避型)
そしてドラえもんのキャラクターで例えると
しずかちゃん
のび太
スネ夫
ジャイアン
という形で理解できる。
では
そもそもなぜこのような違いが生まれるのか。
結論から言うと
愛着スタイルは
「過去の関係の中で学習した安心の作り方」である。
人は幼い頃の関わりの中で
自分は大丈夫な存在か
人は信頼できる存在か
この2つを無意識に学んでいく。
例えば
話をしっかり聞いてもらえた経験
感情を受け止めてもらえた経験
一貫した関わりをしてもらえた経験
こうした積み重ねがあると
「自分も大丈夫」
「人も大丈夫」
という土台ができる。
これが安定型である。
一方で
関わりが不安定だった場合
「もっと頑張らないと受け入れてもらえない」
と感じやすくなる。
これが不安型である。
また
感情を受け止めてもらえなかったり
弱さを否定されてきた場合
「人に頼っても無駄だ」
と学習する。
これが回避型である。
さらに
安心したい相手が怖い存在でもある場合
近づきたいのに怖い
どうしていいかわからない
という状態になる。
これが混乱型である。
ここで一番大事なことがある。
それは
どのスタイルも
その人なりの最適な適応だったということ。
不安型の選手は
関係をつなぎ止めるために頑張ってきた。
回避型の選手は
傷つかないために自分を守ってきた。
混乱型の選手は
その中でなんとかバランスを取ろうとしてきた。
つまり
選手の反応は問題ではない。
これまでの環境への適応なのである。
この視点を持つと
指導の在り方が変わる。
「なんでこんな反応するんだ」
ではなく
「この選手はどうやって安心を作ってきたのか」
という問いに変わる。
そしてもう一つ重要なことがある。
愛着スタイルは固定ではないということ。
人は関係の中で学習する。
だからこそ
新しい関わりを経験すると
新しい安心の持ち方を学ぶことができる。
・否定されない
・話を聞いてもらえる
・整理してもらえる
・一貫した関わりがある
こうした環境の中で
少しずつ選手は変わっていく。
不安が強かった選手が落ち着いてくる。
閉じていた選手が少しずつ話し始める。
強く出ていた選手が言葉を使えるようになる。
変わっているのは行動ではない。
土台である。
指導者の関わりは
その土台に直接影響する。
だからこそ
技術指導だけでなく
関わり方そのものが育成である。
この視点を持つことで
選手を見る目が変わる。
関わり方が変わる。
そして結果が変わる。
ここが
これからの育成において
最も重要なポイントの一つである。
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