バランス思考で選手の意思決定を支える
選手が迷う瞬間にどう関わるか?
先日、筑波大学サッカー部の2年生選手とオンラインでコーチングセッションを行いました。
テーマは「役職を引き受けるべきかどうか」。
リーダーや役割を担う場面は、大学生だけでなく高校・中学のチームでも日常的に訪れるものです。
選手は最初「やらない」と決断していましたが、心のどこかで「本当にこれでいいのか?」という迷いを残していました。
コーチングのポイント:四象限で整理する
ここで用いたのが「四象限で整理する」という方法です。
- やるメリット(肩書・経験・発言力)
- やるデメリット(発言の制約・批判リスク)
- やらないメリット(リソース確保・自由な発言)
- やらないデメリット(意思決定に関われない・将来の後悔の可能性)
人は無意識に「やらないメリット」だけ、あるいは「やるメリット」だけといった片側に偏って考えてしまいがちです。
そこで四象限に分けて整理することで、選手は両面を客観的に捉えられるようになり、最終的に「やらない」と決めた自分の判断に納得感を持つことができましたGMT20251013-武中俊樹選手。
バランス思考を育てる
今回のセッションの学びは、バランス思考を選手に促すことの大切さです。
「やるか、やらないか」という二択に見える状況も、メリットとデメリットの両面を見れば、より広い視点で判断できます。
そして重要なのは、最終的な答えをコーチが与えるのではなく、選手自身が自分で納得して選んだという実感を持つことです。これが後悔や迷いを減らし、次の挑戦へのエネルギーになります。
指導者へのヒント
指導者としては、選手にこう問いかけてみてください。
- 「その選択のメリットとデメリット、両方を書き出してみようか?」
- 「やった場合とやらなかった場合、それぞれの良さとリスクは?」
シンプルですが、選手の思考は一気に深まり、意思決定の納得感が変わります。
アーカイブ動画はこちら
今回のセッションの様子は、アーカイブ動画でご覧いただけます。
👉 [YouTube動画]
まとめ
- 四象限で整理すると、片側に偏らず意思決定ができる
- バランス思考が納得感を高める
- 指導者は問いかけで選手の思考を深める役割を担う
選手が「やるか、やらないか」で迷ったときこそ、指導者の問いかけが大きな意味を持ちます。
ぜひ、現場で取り入れてみてください。