保護者シェア会の現場で自然に起きていた「ラーナーセンタードな育成」の本質
指導が変わる前に「場」が変わっていた
先日、初めての保護者シェア会を開催しました。
テーマは、勉強と部活の両立、スマートフォンの問題、思春期の関わり方、チームとモチベーションなど、多くの現場で共通する悩みでした。
最初は緊張感のある空気でしたが、時間とともに対話は深まり、気づけばそこには「正解を探す場」ではなく、「それぞれが考え始める場」が自然と生まれていました。
私はその光景を見ながら、
「これはまさにラーナーセンタードの究極形だな」
と感じていました。
管理をやめた瞬間、主体性が動き出す
中学1年生の保護者からは、
「部活を始めてから成績が落ちた」
「家の雰囲気が悪くなった」
というご相談もありました。
その場で先輩保護者の体験談が共有されました。
「うちも中1は同じでした。でも中2、中3と、先輩の姿を見る中で、本人が自分から勉強に向かい始めました」
この瞬間、
“やらせる”教育から
“育つのを待つ”教育への転換が、言葉ではなく体験として共有されたのです。
Bチーム経験が「失敗」ではなく「学習」に変わるとき
Bチーム経験についても、多くの示唆がありました。
・Bチームだったからこそ、仲間の大切さに気づいた
・Bチームで腐らずに取り組めた経験が、今の自信につながっている
これはまさに、
結果ではなく「学習プロセス」に価値を置く視点です。
ラーナーセンタードとは、
「成功体験を与えること」ではなく、
「どんな経験からも学べる力を育てること」
なのだと、改めて気づかされました。
スマホ・言葉・習慣は「禁止」ではなく「自覚」
スマートフォンについても、多くの本音が出ました。
・制限しても抜け道を探す
・結局は本人の自覚がなければ変わらない
ここでも結論はシンプルでした。
親が管理するほど、子どもは考えなくなる。
代わりに大切なのは、
・スマホ
・部屋の整理
・日常の言葉づかい
といった 「無意識の習慣」への気づきです。
これは私がよくお伝えしている「ゾーンに入る日常習慣」とも完全に一致します。
ネガティブな言葉がチームの空気を重くする
「無理でしょ」「どうせダメ」
こうした言葉は、個人の問題に見えて、実はチーム全体の“空気”を確実に重くします。
一方で、
・温かい一言
・前向きなリアクション
・失敗への肯定的な声かけ
これだけで、チームの雰囲気とパフォーマンスは驚くほど変わります。
チームフローとは、
戦術ではなく“言葉と関係性”から生まれるものなのだと、改めて実感しました。
アドラー心理学とラーナーセンタードの一致点
今回のシェア会では、アドラー心理学の視点も自然に共有されました。
・親の課題と子どもの課題を分ける
・結果から学ばせる
・本人の自己決定を尊重する
これらはすべて、
JFAが推進する「ラーナーセンタード」と完全に重なります。
理論として教え込まなくても、
人は“信頼される場”に立つと、自ら学び始める
その事実を、私は現場で何度も見てきました。
指導とは「教えること」から「信じて任せること」へ
今回の保護者シェア会で、私が最も強く感じたのはこれです。
指導が変わる前に、
まず「大人の在り方」が変わる必要がある。
選手を変えようとする前に、
指導者と保護者が
・管理から信頼へ
・支配から伴走へ
と立ち位置を変えることで、
子どもたちは驚くほど自然に主体性を取り戻していきます。
これこそが、ラーナーセンタード育成の本質だと私は考えています。
5月に「チームフロー × ラーナーセンタード」セミナーを開催します
今回のシェア会の内容を踏まえ、
5月には「チームフローとラーナーセンタード」をテーマにしたセミナーを開催予定です。
・言葉がチームをどう変えるのか
・習慣がパフォーマンスにどう影響するのか
・主体性はどうすれば育つのか
理論だけでなく、現場の実例をもとにお伝えしていきます。
📩 無料メルマガのご案内
「選手の主体性を伸ばす無料メルマガ」では、
✔ 日々の指導に使える“問いかけのコツ”
✔ チームを成長させる“対話のヒント”
を毎週お届けしています。
👉 登録はこちら:https://1b0e527676e.benchmarkpages.com/nishida-merumaga
📕 電子書籍のご紹介
①『選手が自ら考え、やる気に満ちる! サッカー指導者のためのメンタルコーチング』
👉 https://www.amazon.co.jp/dp/B0FVWJRPXD
②『ゾーンに入る習慣力』
👉 https://tinyurl.com/5c89frb5
