自責の念から感謝へ ― 選手のメンタルを支える指導者の視点
先日のセッションでは、ある選手が抱えている「自責の念」について深く話し合いました。
試合でうまくいかなかった時やチームが苦境に立たされた時に、必要以上に「自分のせいだ」と背負い込んでしまう。この傾向は、多くの選手に共通するテーマでもあります。
自責の念は時間がかかる課題
「自分の責任だ」と感じる気持ちは決して悪いものではありません。
しかし、それが行き過ぎると選手を苦しめ、パフォーマンスを下げる原因になります。
自動思考のように瞬間的に湧き上がる自責の念は、一朝一夕で変わるものではなく、体質改善(スキーマ療法)や認知再構成法など、時間をかけたアプローチが必要です。
認知再構成法で「捉え方」を練習する
セッションでは、具体的な事例(例えば仲間の遅刻など)を取り上げて、認知再構成法の練習を行いました。
- 「親友ならどう声をかけるか?」
- 「ポジティブに言い換えるとどうなるか?」
こうした問いを通じて、ネガティブな捉え方を別の角度から見直す練習が、選手の心を軽くする助けになります。
感情のスケールを意識する
私たちの感情には段階があります。
「感謝・喜び」といった高いレベルにあるときには思考も行動も結果も良い方向に進みますが、逆に「怒り・自己否定」に落ちているときは質が下がってしまいます。
指導者としては、選手がどの感情レベルにいるのかを見極め、その状態に合わせた関わりをすることが大切です。
感謝が選手を強くする
最後に話題になったのは「感謝」です。
日常の中で小さな感謝を見つけ、表現することは、チームの雰囲気や一体感を大きく高めます。
実際に、感謝を習慣化することでパフォーマンスが安定する事例も多く見られます。
まとめ
選手が「自責」から「感謝」へと意識をシフトできるよう支援することは、指導者にとって大切な役割です。
- 自責は悪ではないが、行き過ぎれば足かせになる
- 認知再構成法で捉え方を切り替える練習をする
- 感情のスケールを理解し、状態に応じた関わりをする
- 感謝を習慣化することでチームの力が引き出される
こうしたポイントを意識することで、選手の成長を後押しする指導が実現できます。