不安を消すのではなく、大切なものに戻る
あるアスリートとの個人セッションで、大事な試合を前にした心の整え方について話しました。
本人のコンディションは良く、準備もできていました。
自分の未来像も描けていて、前向きに取り組めている。
それでも、大事な試合が近づくと、心は揺れます。
結果を出さなければならない。
ミスしてはいけない。
期待に応えなければならない。
これは悪いことではありません。
本気だからこそ、不安になる。
大切だからこそ、失敗したくない。
積み重ねてきたものがあるからこそ、結果が気になる。
だから、不安を消そうとしなくていいのだと思います。
むしろ、不安を消そうとすればするほど、意識は不安に向きます。
大事なのは、不安をなくすことではなく、戻る場所を持つことです。
自分は何のためにここに立つのか。
誰への感謝を胸にプレーするのか。
チームにどんな貢献をしたいのか。
感謝に戻ると、心の向きが少し変わります。
「評価されなければ」から、
「支えてくれた人への感謝をプレーで表したい」へ。
「ミスしたらどうしよう」から、
「今、自分にできることでチームに貢献したい」へ。
特に大事な場面ほど、人は自分を守ろうとします。
失敗したくない。
責められたくない。
期待を裏切りたくない。
でも、その意識が強くなりすぎると、体は固まりやすい。
そんな時こそ、
「自分は何を届けたいのか」
「誰のためにプレーしたいのか」
「この場にどんな貢献ができるのか」
に戻る。
それだけで、余計な力が少し抜けることがあります。
悔しさも同じです。
悔しいということは、そこに大切にしているものがあるということです。
もっと成長したい。
チームに貢献したい。
信頼に応えたい。
悔しさの奥には、そんな願いが隠れています。
リバウンドメンタリティーとは、崩れないことではありません。
不安にならないことでも、緊張しないことでもありません。
崩れても、自分が本当に大切にしているものに戻れる力です。
大一番の前に必要なのは、不安を完全に消すことではない。
感謝に戻ること。
貢献意識に戻ること。
自分のビジョンに戻ること。
そこから、もう一度、今できることを選ぶこと。
大事な場面の前に、あなたは何に戻りますか。
評価ですか。
結果ですか。
それとも、自分が本当に大切にしているものですか。
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