先日、ある高校サッカー部の選手とオンラインセッションを行った。
テーマはとてもシンプルだった。
「先輩に話しかけるのが怖いんです」
話を聞くと、挨拶はできる。
「おはようございます」
「お疲れ様です」
しかし、その先が続かない。
だから関係が深まらない。
でも、自分から話しかけるのも怖い。
理由ははっきりしていた。
「断られたら嫌だからです」
心理学ではこれを Fear of Rejection(拒絶不安) と呼ぶ。
実はこれは、若い選手にとても多い。
寮生活。
先輩後輩の関係。
チームの空気。
そういう環境では、人はどうしても
「嫌われたくない」
という気持ちが強くなる。
そこで私はこんな話をした。
「会話をしようとしなくていい」
すると彼は少し驚いた顔をした。
多くの選手は
「先輩と仲良く話さなきゃ」
と思っている。
だからハードルが上がる。
でも実際は違う。
必要なのは 会話ではなく一言 だ。
例えば
「お疲れ様です。今日の練習きつかったですね」
それだけでいい。
長く話す必要はない。
30秒で終わっていい。
挨拶。
一言。
それで終わり。
これを続けると何が起こるか。
関係が少しずつできてくる。
そして、ある日ふと
先輩の方から話しかけてくる。
実際、この選手にもそんな経験があった。
留年が危ない時期。
落ち込んでいた時。
先輩が声をかけてくれたという。
人間関係というのは面白い。
いきなり深い関係にはならない。
でも
小さな挨拶
小さな一言
それが積み重なると、自然と関係ができていく。
私は最後にこう伝えた。
「まずは優しい先輩一人でいい」
人間関係はネットワークのようなものだ。
一人つながると、そこから広がっていく。
ちなみに、この話をすると
「それくらい簡単でいいんですか?」
と驚く選手が多い。
いい。
むしろ、それくらいがいい。
人間関係は
頑張って作るものではなく
少しずつ育つもの だからだ。
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