現場で頑張るだけでは、チームは育たない理由― 草むしりだけでは、庭は育たない ―

チームづくりの話をしていると、よく聞く言葉があります。

「とにかく現場で頑張ります」
「まずは目の前のことを全力でやります」

もちろん、それは大事。
むしろ、それができないチームは、前に進めません。

でも最近、ふと思うんです。

それ、草むしりだけしてる庭みたいだなって。


例え話①:草むしりは大事。でも、それだけだと…

庭って、放っておくとすぐ雑草が生えますよね。
だから草むしりは必要不可欠。

でも、

  • 土がカチカチのまま
  • 水をあげる時間もなく
  • どんな花を咲かせたいかも決めていない

この状態で、毎日草だけ取っていても、
花はなかなか咲きません。

チームも同じで、

  • ミスを減らす
  • 走らせる
  • 声を出させる

これは全部「草むしり」。

大事だけど、それだけでは
チームの“土壌”は育たないんですよね。


例え話②:現場で全部やる監督は、忙しすぎる

以前、あるチームでこんな場面がありました。

監督が、

  • 練習メニューを考え
  • 雰囲気が悪くなれば声をかけ
  • うまくいかない選手のケアもして
  • 保護者対応もして

本当にフル稼働。

もう、尊敬しかありません。

でもその一方で、

  • 選手同士の関係性
  • チームとしての価値観
  • キャプテンの役割

こういう部分に、なかなか手が回らない。

結果、何が起きるかというと、
チームは監督がいる時だけ動く。

監督がいないと、空気が止まる。

これ、監督が悪いわけじゃなくて、
全部を一人で背負いすぎている構造の問題なんです。


例え話③:会社でも、まったく同じことが起きている

企業の現場でも、よく似たことが起きます。

できる上司ほど、

  • トラブル対応
  • 部下の相談
  • 数字の管理

全部自分で抱えます。

でもそうなると、

  • 部下が育たない
  • チームで考える文化が育たない

結果、また上司が忙しくなる。

これ、本人の頑張りが原因で
チームが自立できなくなっている、という皮肉な構造です。


本当に必要なのは「全体を見る時間」

チームが育つときに必要なのは、

  • 誰がどこで詰まっているのか
  • どんな関係性ができているのか
  • 何が言語化されずに放置されているのか

こういうことを、少し引いた視点で見る時間。

でも現場で全力で走っていると、
この時間が、どうしても後回しになります。

だからこそ、意図して

  • 対話の場をつくる
  • 価値観を共有する
  • リーダーと役割の話をする

こういう「土を耕す作業」が必要なんですよね。


現場を離れることは、逃げではない

ここ、よく誤解されます。

「現場を離れる=手を抜く」
「楽をしている」

そんなふうに見られるんじゃないか、
自分でもそう感じてしまうこともあります。

でも実際は、

  • 声を出す人から
  • 流れをつくる人へ

役割が変わるだけ。

チームが成長するにつれて、
必要な仕事の種類が変わっていく、というだけなんです。


チームが変わる瞬間は、練習内容より“関係性”が変わった時

これまで見てきた中で、
チームがガラッと変わる瞬間って、

  • キャプテンが一人で抱えなくなった時
  • 選手同士で声を掛け合うようになった時
  • ミスした選手を責めなくなった時

こういう“関係性の変化”が起きた時が多いです。

そしてその裏には必ず、

  • 誰かが全体を見て
  • 言葉を整えて
  • 対話の場をつくっていた

そんな時間があります。


まとめ:草むしりも、水やりも、どちらも必要

現場で頑張ることは、これからも大事。
草むしりは、絶対に必要。

でもそれと同じくらい、

  • 土を耕す時間
  • 水をあげる時間
  • どんな花を咲かせたいか考える時間

これも必要です。

チームが育つというのは、
誰かが走り続けることではなく、
みんなが育つ環境が整っていくことなのかもしれません。

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