「一番嬉しかった瞬間」から始まる指導の軸
先日のセッションで、参加者の皆さんにこんな問いかけをしました。
――「これまでの指導で一番嬉しかった瞬間は?」
あるコーチは、息子さんが試合でゴールを決めた瞬間を語りました。
掘り下げていくと、その喜びは「得点」そのものではなく、
✔ 息子が自信をつけたこと
✔ 仲間と一緒に喜び合えたこと
この二つが価値だったと気づかれました。
つまりその方にとっての指導の軸は、
サッカーを通して自信を育み、仲間と喜びを分かち合える子どもを育てたい
というものでした。
指導の軸を明確にするメリット
・迷ったときの判断基準ができる
・指導に一貫性が出る
・選手や保護者に自分の思いを伝えやすくなる
・結果に一喜一憂するのではなく「本当に大切にしたいこと」に立ち返れる
選手への応用
実はこの問いかけは、選手にも効果的です。
「これまでで一番嬉しかったプレーは?」
「どんな瞬間にサッカーやってて良かったと思った?」
こう聞くことで、選手は自分のモチベーションや価値観を言葉にできます。
それは「なぜ頑張るのか」を再確認し、逆境に向き合うエネルギーになります。
大切なのは、指導者自身も選手自身も、自分の軸を言葉にすること。
そこに、チームが一体となって成長していく力があります。
あなたにとっての一番嬉しかった瞬間は、どんなシーンでしょうか?
そしてその場面から、どんな指導の価値観が浮かび上がりますか?
次回は「指導者と選手の関係性の再構築」についてお届けします。