指導者に求められる「非認知能力」とフロー体験の再現性

選手のやる気と現状

あるグループセッションでは、参加者が「やる気度」を5点満点で自己評価し、近況を共有しました。ある選手は復帰後に30分間試合に出場できた喜びを語り、「やっぱりサッカーは楽しい」と感じたと話しました。また別の選手は、重要な大会を前に自分の立ち位置を確認しながら、試合に絡むためのモチベーションを語っていました。

こうした「やる気」の背景には、単なる勝ち負け以上にサッカーを通じた自己成長や復帰の喜びがあることが伺えます。指導者としては、数字に現れないこうした感情の動きを把握し、選手の言葉を引き出すことが大切です。


非認知能力の重要性

セッションでは、慶應大学の研究をもとに「非認知能力」の大切さが紹介されました。学力やIQといった「認知能力」以上に、忍耐力・素直さ・自制心・誠実さ・やり抜く力などが、社会での成功や幸福度に強く影響すると言われています。

これはサッカーにおいても同じです。技術や戦術理解だけでなく、

  • 仲間とのコミュニケーション力
  • 約束を守る誠実さ
  • 継続力や自己コントロール力

といった要素が、最終的には選手の評価や信頼を大きく左右します。ある参加者は「やり方は盗めても継続は盗めない」という言葉を引用し、継続力の重要性を強調しました。


フロー体験とその再現性

選手たちはそれぞれ、自分が「フロー(ゾーン)」に入った瞬間を振り返りました。

  • 「相手の動きが遅く見えた」
  • 「疲れを感じず、周りがよく見えた」
  • 「全てのプレーが自然にうまくいった」

などの感覚が共有されました。

メンタルの最終的なゴールは、このフロー状態を再現できるようにすることです。心理学的には「7〜8割は再現可能」と言われ、トップアスリートたちも独自のルーティンを持っています。例えば、試合前の準備、心の整え方、集中の仕方などがフローへの入り口になります。


指導者へのヒント

今回のセッションから、指導者にとってのヒントは次の3点に集約できます。

  1. 数字に見えない感情を大切にする
     選手のやる気や復帰の喜びを引き出す対話が、主体性を育てる。
  2. 非認知能力を育てる視点を持つ
     技術指導だけでなく、継続力や誠実さといった姿勢を評価し、言葉にして伝える。
  3. フローを再現する環境を整える
     ルーティンや集中の方法を一緒に探し、チーム全体で「チームフロー」に近づける工夫をする。

まとめ

サッカーの成果は、技術や戦術だけではなく、選手一人ひとりの非認知能力の育成と、フロー体験を再現できる仕組みづくりに大きく左右されます。

指導者がこうした視点を持ち、選手の感情や姿勢を言葉にして認めていくことで、チーム全体が成長のサイクルに入るのではないでしょうか。

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