名将に共通する土台「課題の分離」とは
前回ご紹介した「中核3条件」に続いて、名将に共通するもうひとつの土台があります。
それが―― 課題の分離(役割の整理) です。
アドラー心理学の重要な原則で、「それを放っておいたときに一番困る人」が、その課題の持ち主だと考えます。
つまり、選手の課題と指導者の課題をきちんと分けることが、主体性を伸ばすためのカギになるのです。
✅ 課題の分離の具体例
- 選手の課題
試合や練習の準備・片付け
自分のプレーの選択
宿題やコンディション管理 - 指導者の課題
チーム方針の決定
練習メニューの作成
選手の安全管理
境界線を整理すると、指導者も選手もぐっと楽になります。
そしてその中で、選手には責任感と自主性が芽生えていきます。
「課題の分離」を実践する方法
課題を背負い込みすぎると、選手は「他人軸」で動くようになってしまいます。
そこで有効なのが、**「結末から学ばせる質問」**です。
Step1:現状の確認
「今日の準備ができていないと、この後どうなると思う?」
Step2:未来への行動
「次はどんな工夫ができそう?」
Step3:学びの促進
「この結果から、何を学んだ?」
アドラー心理学では、ほめたり叱ったりする代わりに、選手に自分の選択の結果から学ばせることを大切にします。
実践例:準備ができていない選手への対応
- ❌ 従来のアプローチ(指導者の課題になってしまう)
「なんで準備ができてないんだ!次から気をつけろ!」 - ⭕ 課題の分離を活用したアプローチ
「準備ができていないと、どんなことが起きる?」
「それは君にとってどう感じる?」
「次はどうすれば避けられると思う?」
このように問いかけることで、選手が自分で考え、自分で答えを見つけるようになります。
まとめ
主体性を育てるには、
- 【土台①】中核3条件(安心できる関係性)
- 【土台②】課題の分離(役割の整理)
この2つの土台が欠かせません。
選手に「やらされている」ではなく「自分で選んでいる」という感覚を持たせることで、本当の主体性が育っていきます。