ケガの時期にこそ、自分と向き合うチャンスがある
「怪我をしてサッカーから少し離れた生活をしている。」
ある大学サッカー部の選手とのセッションで、そんな近況を聞きました。
今シーズンは怪我で出遅れ、気づけばサッカーへの優先度が以前よりも下がっている。就職活動や家族との時間、旅行など、日々の生活は充実しているものの、「このままでは後悔する気がする」という声が彼の口からこぼれました。
◆ “楽な世界”と“厳しい世界”
私たちは誰しも、「努力が必要な世界」と「気楽で楽しい世界」の間で揺れます。
実は私自身も、大学3年のときにサッカーよりも遊びに心が傾き、練習をサボって謹慎処分を受けたことがあります。でも、その1ヶ月間で心と身体を鍛え直し、トップチームに昇格するという転機になりました。
この選手も、今まさに「どちらの未来を選ぶか」という岐路に立っていました。
◆ 清々しい未来をイメージする
セッションの中盤、彼にこう問いかけました。
「今シーズン、復帰してチームに貢献して、目標だった得点を達成して、みんなで優勝を喜ぶとしたら、どんな景色が見える?」
彼は目を閉じて、去年の優勝のときの感情を思い出してくれました。
「清々しい」「やり切った」「スッキリした」
そんな言葉が自然と出てきた瞬間、私は確信しました。
この選手は、もう一度“厳しいけれど充実した世界”に戻ってこようとしているのだと。
◆ 再スタートのための具体的な一歩
彼が再スタートのために掲げた行動は以下の2つでした。
- 週2回、朝と午後にグラウンドへ行く
→朝は筋トレとジョグ、午後は練習参加またはボールタッチ。 - 食生活を見直す
→外食中心の生活を見直し、自炊や栄養を意識する。
「今頑張れば、遊ぶよりも楽しい景色が見られる」
そう未来の自分からのメッセージを受け取った彼は、ゆっくりとでもまた歩き始めました。
◆ あなたへ問いかけたいこと
この選手のように、今の自分が「本気で取り組みたいこと」に対して、少し距離を感じていませんか?
もしかしたら、それは一時的な“心の休憩”かもしれませんし、“もう一段成長するためのタイミング”かもしれません。
大事なのは、今どんな未来を描きたいのか。
そして、その未来の自分が、今の自分にどんなメッセージを送るか。