先日、ある企業で新人研修を行った。
今回で5回目になる。
ただ、正直に言うと
最初からこんなにスムーズにいったわけではない。
初回はというと
今振り返れば、少し恥ずかしい。
「教えなきゃ」「伝えなきゃ」と思うあまり
自分ばかりが話していた。
いわゆる“いい話をする人”になっていた気がする。
当然、場は悪くはないが
どこか“受け身”の空気が残る。
あの頃の自分に一言だけ言えるとしたら
「少し黙ってみたらどうだろうか」だ。
「取説」から始める理由
今回の研修も、最初にやったのは
自分の“取扱説明書”をシェアするワーク。
・どんな時にモチベーションが上がるのか
・どんな時にイライラするのか
一人1分で話す。
たったこれだけのことだが
空気が少しずつ緩んでいく。
ここで大事なのは
うまく話すことではない。
「自分を少し見せること」だ。
そしてもう一つ。
指導する側が
“話しすぎないこと”でもある。
人は「いいところ」を言われ慣れていない
次に行ったのは
お互いの“いいところ”を付箋で書くワーク。
名前を書いた紙を回して
直感でいいところを書いていく。
これが、面白い。
普段、人はあまり
自分の良さを言葉で受け取っていない。
だから最初は少し照れる。
でも、だんだんと
表情が変わってくる。
ある参加者が言っていた。
「こんなに自分のことを見てもらっていたとは思わなかった」
この一言が、すべてを物語っている。
仲の良さは“偶然”ではない
ここで伝えたのは一つ。
パフォーマンスが高いチームは
例外なく“仲がいい”。
ただし
自然に仲良くなるのを待っているわけではない。
意図的に関係性をつくっている。
これも、最初はうまく伝えようとして
言葉で説明しすぎていた。
でも今は
体験の中で感じてもらうことを大事にしている。
仕事は「ご飯」だけではもったいない
後半は、仕事の意味を考えるワーク。
仕事を4つに分ける。
・ライス(生活のため)
・ライク(好き)
・ライフ(人生そのもの)
・ライト(社会を照らす)
ある参加者は最初こう言っていた。
「自分はライス100%です」
とてもリアルでいい。
むしろ、その正直さにこちらが安心する。
そこから少しずつ
「1年後は、ライクを少し増やしたいです」
そんな声が出てくる。
無理に変えようとしなくても
人は自然に広がっていく。
なぜこの研修は機能するのか
今回の研修は
シンプルな構造でできている。
① 自己開示
② 承認
③ 意味づけ
この順番だ。
昔の自分は
いきなり③からやろうとしていた。
だから、響かなかった。
順番は大事だ。
安心があって
はじめて人は考えられる。
「安心」は甘さではない
よく言われる。
「仲がいいと、緩くなりませんか?」
これは半分正解で
半分誤解だ。
安心があるからこそ
人はチャレンジできる。
不安だけで動くと
短期的には頑張れるが、続かない。
これはスポーツでも
仕事でも同じだ。
最後に
研修の最後に
心理的安全性を点数で聞いた。
多くの人が
最初より高い点数をつけていた。
もちろん
一回で全てが変わるわけではない。
ただ一つ確かなのは
関係性は、設計できる。
そしてもう一つ。
設計する側も
少しずつ学んでいる、ということだ。
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