なぜ「先のことを考えながらプレーする選手」は力が出にくいのか?

練習では悪くないのに、
試合や評価がかかる場面になると、急に動きが硬くなる。

指導現場では、よく見る光景です。

本人に聞くと、だいたいこんな答えが返ってきます。

「ちゃんとやらなきゃって思うと、逆に体が重くなります」
「次の評価のことを考えちゃって、今のプレーに集中できません」

真面目で、意識も高い。
でも、なぜか力が出ない。

このとき問題になっているのは、技術よりも
心のハンドルを誰が握っているかです。


自分軸と他人軸は「運転席」と「助手席」

セッションではよく、こんなたとえ話をします。

自分軸でプレーしている状態は、
自分が運転席に座って、目の前の道を見て運転している状態。

一方、他人軸になっている時はどうかというと、
自分はちゃんと運転席に座っているんですが、
助手席がとにかく口うるさい。

「今のまずいだろ」
「次ミスしたら評価下がるぞ」
「もっとちゃんとやれ」

横からずっと指示とダメ出しが飛んでくる状態です。

ハンドルは自分が握っているのに、
頭の中はその声でいっぱい。

これでは、目の前のカーブや信号に集中できなくなるのも、
正直、無理はありません。

多くの選手は、
自分が他人軸になっていることよりも、
この“助手席の声”に支配されていることに気づいていません。


助手席が騒がしくなる正体は「不安」

では、この助手席はなぜこんなに騒がしいのか。

その正体は、ほとんどの場合不安です。

「失敗したくない」
「評価を落としたくない」
「期待に応えなきゃ」

全部、悪い気持ちではありません。
むしろ、責任感が強くて、真面目な選手ほど出やすい感情です。

でも不安がベースになると、
助手席はどんどん声を大きくしてきます。

そして運転席の自分は、
その声に反応しながら運転することになり、
どうしても動きがぎこちなくなる。

これが、
「ちゃんとやろうとしているのに力が出ない」状態の正体です。


安心している時、人は自然に「今ここ」に入れる

では逆に、力が出ている時の選手はどうか。

自信満々かというと、そうでもありません。
テンションが高いかというと、これも違う。

ただ、落ち着いている。
変に身構えていない。

つまり、心のベースが安心の状態です。

安心していると、
評価よりもプレーそのものに意識が向きます。

助手席の声が静かになり、
自分が運転席で目の前の道に集中できる。

だから結果として、

・判断が早くなる
・切り替えが早くなる
・プレーがシンプルになる

こういう変化が起きます。

集中しようと頑張っているのではなく、
安心しているから集中できている、という順番です。


なぜ日常で、また助手席が騒ぎ出すのか

ここで大事なポイントがあります。

他人軸になるのは、
試合や評価の場面だけだと思われがちですが、実は違います。

助手席の性格は、
日常の過ごし方で作られていることが多いのです。

たとえば、こんな習慣。

一つ目は、SNSをだらだら見続けること。

常に誰かの成果や評価に触れ続ける状態は、
無意識に比較モードをオンにし続けます。

助手席に、ずっとマイクを渡しているようなものです。

二つ目は、部屋や身の回りが散らかっていること。

散らかった環境は、
「やれていない自分」「片付けられていない自分」を
一日中、視界に入れ続けます。

つまり、今の自分にOKを出しにくい状態が続く。

これも、心をじわじわ助手席モードに戻していきます。

三つ目は、ネガティブな独り言。

「どうせ無理」
「またダメか」

これ、他人に言われていなくても、
自分で自分を評価している状態です。

自分が自分の審査員になっている時、
心は安心モードにはなりません。


安心をデフォルトに戻すには、大きく変えなくていい

だから私はよく、こんな宿題を出します。

「一か月で、悪い習慣を一つだけやめてみよう」

全部変えなくていい。
一気に前向きにならなくていい。

SNSの時間を少し減らす。
机の上だけ片付ける。
ネガティブな言葉に気づいたら、言い直してみる。

たったこれだけでも、
助手席が静かになり、
運転席に意識が戻ってくる時間は、確実に増えていきます。

安心は作り込むものというより、
邪魔しているものを減らすことで、自然に戻ってくる状態です。


自分軸で走れている時間が、少しずつ伸びていく

自分軸、安心、今ここ。
これは性格ではなく、状態の問題です。

だから、整えれば戻ってきます。

今日より明日、
明日より来週、
運転席に座っている時間が少しずつ長くなる。

それが結果として、
プレーの安定感や成長スピードにつながっていきます。

上を目指す選手ほど、
全力で踏み込む前に、
今、誰が運転しているか。

そこを一度、確認してみる価値は大いにあると思います。


今の自分、運転席で走れていますか?

もしここまで読んで、

「自分、今ちょっと助手席の声うるさくないかな」
「最近、評価や結果のことばかり考えているかも」

と感じた方は、一度だけ立ち止まって、
今の状態を確認してみてください。

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