――ある幹部との1年間の対話から感じたこと
先日、ある企業の幹部の方(仮にAさんとします)とのセッションで、こんな言葉が出てきました。
「周りから何を言われても、前より受け流せるようになった気がします」
私は思わず、こうお伝えしました。
「それ、他人軸から自分軸にシフトしてきていますね」
するとAさんの表情が、ふっと和らいだんです。
今日はこのやりとりと、そこに至るまでの背景について、少し書いてみたいと思います。
1年前、Aさんはとてもつらい状況にいました
Aさんは約1年前、ある大きなトラブルをきっかけに役職を外れ、
精神的にもかなり落ち込んでいる状態でした。
社長からのご依頼で、月に1回のコーチングが始まりましたが、
正直に言えば、当時のAさんは、
- 仕事へのモチベーションが湧かない
- 自信を失っている
- 先の見通しが立たない
そんな状態で、かなり苦しい時期を過ごしていたと思います。
私がその時にできたことは、
何かを教えることでも、方向を示すことでもなく、
ただ、起きていることと気持ちを、できるだけそのまま聞くことでした。
人は「希望の一言」で、少しだけ前を向けることがある
昨日のセッションで、Aさんはこんな話もしてくれました。
去年の春先、占いに行ったときに、
「これから1年は、良い流れが来る」
と言われたことが、実は大きな支えになっていた、と。
私はその話を聞きながら、
希望って、必ずしも論理や計画から生まれるものじゃないんだな、と改めて感じました。
誰かの何気ない一言が、
「もう少しだけ頑張ってみよう」と思えるきっかけになることも、確かにある。
Aさんの場合、それが回復の“最初の火種”だったのかもしれません。
怒りの奥にある「悲しみ」が癒されると、エネルギーは戻ってくる
私が大切にしている考え方の一つに、
円覚寺の横田南嶺老師の言葉があります。
怒りの奥には、必ず悲しみがある。
その悲しみがきちんと聞き切られたとき、人は自然と前に進む力を取り戻す。
Aさんも、表に出ていたのは
会社への不満や、理不尽さへの怒りでしたが、
その奥には、
- 認められなかった悔しさ
- 期待に応えられなかった無力感
- もう一度信頼を取り戻したいという思い
そういった「悲しみ」が、確かにありました。
それを言葉にしながら、何度も整理していく中で、
少しずつ、少しずつ、エネルギーが戻ってきたように感じています。
「自分軸」に戻ると、世界の見え方が変わる
そして今回の、
「周りの声を受け流せるようになった」
という言葉。
これは、気にしなくなったというよりも、
判断の基準が、外から内に戻ってきた
という変化だと思います。
自分がどうしたいか。
自分は何を大事にしたいのか。
そこに立ち戻れるようになると、
周囲の意見は「攻撃」ではなく「情報」として受け取れるようになります。
経営でも、指導でも、子育てでも、
この状態に戻れるかどうかは、とても大きな違いを生みます。
私がしたことは、方向を示したというより「一緒に立ち止まった」だけ
今回のケースで、
私がAさんを変えた、という感覚は正直ありません。
やったことといえば、
- 話を遮らずに聞く
- 感情を評価せずに受け止める
- 状態が良い時も悪い時も、同じ距離で関わる
それくらいです。
でも、人は「ちゃんと聞いてもらえた」と感じられると、
自分の中で整理が進み、次の一歩を自分で選べるようになっていきます。
今回の変化も、Aさん自身の力だと、私は思っています。
もし今、同じような状態の方がいたら
もしこの記事を読んでいて、
- 仕事に向かう気力が湧かない
- 評価や人の目がつらい
- 本当は頑張りたいのに、動けない
そんな感覚がある方がいたら、
それは「甘え」でも「能力不足」でもなく、
心が少し疲れているサインかもしれません。
まずは、立て直そうとする前に、
今の状態を安心して話せる時間を持つことが、回復の近道になることも多いです。
次の一歩:安心して話せる場としての個別セッション
私は現在、
経営者・管理職・指導者の方にも、個別のメンタルコーチングを行っています。
テーマは特別なものでなくて構いません。
- 今、何がしんどいのか
- 何に迷っているのか
- これからどう在りたいのか
整理がついていなくても大丈夫です。
話しながら、一緒に整えていく形です。
もし今、少しでも話してみたいと思った方は、
下のLINEから気軽にご連絡ください。
「ちゃんと聞いてもらえた」と感じられる時間が、
次の一歩を生むことも、少なくありません。
コメントを残す