「とにかく現場で頑張れ」
「選手の前に立って、全力で指導しろ」
もちろん、それは大事。めちゃくちゃ大事。
むしろ、そこを本気でやっていないチームは、やっぱり強くなりません。
でも最近、いろんなチームや組織を見ていて、
そして自分自身の仕事の仕方を振り返っていて、
強く感じることがあります。
現場でどれだけ頑張っても、それだけではチームは育ちきらない。
今日はそんなお話です。
現場で頑張る人ほど、全部を背負ってしまう
真面目で、責任感が強くて、チーム思いな人ほど、
- 自分がやらなきゃ
- 自分が支えなきゃ
- 自分が前に立たなきゃ
と、無意識に背負っていきます。
コーチも、キャプテンも、企業の管理職も、
そして…正直、昔の私もそうでした(笑)。
現場で走り続けていると、
「全体を見る」余白が、だんだんなくなっていくんですよね。
これ、悪いことじゃなくて、
むしろ一生懸命な証拠なんですが、
ここに一つ落とし穴があります。
チームが育つときに必要なのは「現場」だけじゃない
チームが本当に育っていくときって、
- 誰が何を大切にしているのか
- このチームは何を目指しているのか
- どんな在り方を良しとするのか
こういう“目に見えない共通理解”が、
少しずつ揃っていく時なんですよね。
でも、これは
日々の練習メニューや声かけだけでは、なかなか育ちません。
誰かが意図して、
- 価値観を言語化したり
- 対話の場をつくったり
- 立ち止まって振り返る時間を用意したり
そういう「全体を整える仕事」をしないと、
チームはいつまでも“個人の頑張り頼み”になってしまいます。
役割の話:ディレクターとプロデューサー
テレビの世界では、
- ディレクター:現場を回す人
- プロデューサー:全体を設計する人
という役割分担があります。
これ、チームにもすごく似ていて、
- 練習を回す
- 試合を戦う
- その場の空気を作る
これは完全に「現場の仕事」。
一方で、
- どんなチームにしたいのか
- どんな経験を選手に渡したいのか
- そのために何を仕組みとして用意するか
これは「全体設計の仕事」。
どちらが上とか下ではなく、
どちらも揃って初めて、チームは育っていくんですよね。
現場に立ち続ける人ほど、視点を上げる勇気が必要
ここ、ちょっと大事なところです。
現場で頑張ってきた人ほど、
「現場を離れる=サボる」
みたいな感覚を持ちやすい。
でも実際は逆で、
一歩引いて全体を見ることは、
チームに対する責任を放棄することではなく、
責任の持ち方が変わるだけなんです。
- 直接声をかける責任 → 環境を整える責任
- その場を回す責任 → 流れをつくる責任
役割が変わるだけで、
想いの強さが減るわけではありません。
むしろ、チームが大きくなるほど、
この視点はますます必要になります。
チームが強くなる瞬間は、誰か一人が頑張った時じゃない
これまで多くのチームを見てきて、
強くなった瞬間って、
- 監督の声が変わった時
- キャプテンの関わり方が変わった時
- 選手同士の会話が変わった時
そんな「関係性の変化」が起きたタイミングが多いんです。
そしてその変化の裏には、たいてい、
- 対話の時間があったり
- 価値観を共有する機会があったり
- 誰かが全体を俯瞰して関わっていたり
そういう“目立たない仕事”があります。
スコアには残らないけど、
チームの土台をつくっている仕事です。
まとめ:頑張ることをやめる必要はない。ただ、役割は変えていい
現場で頑張ることは、これからも大事。
でもそれと同時に、
- チームの空気を整える
- 関係性を育てる
- 価値観を言葉にする
こうした仕事にも、ちゃんと時間と意識を向けていく。
それができた時、
チームは「誰かの頑張り」ではなく、
「みんなの力」で前に進み始めます。
現場で頑張ってきた人ほど、
次のステージは、少し視点を上げること。
それは、手を抜くことじゃなく、
チームを信じて、役割を進化させることなのかもしれません。
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