人は成長の途中で、一度止まる。
それまで不安を燃料に走ってきた人ほど、
ある日、急に動けなくなる。
私はこれを「第3段階」と呼んでいる。
まず全体像を整理しておきたい。
第1段階は過剰適応期。
まわりからの評価のために不安や期待をガソリンにして走る。
一瞬は高出力。だが消耗が激しい。
第2段階は違和感の顕在化。
成果は出ている。けれど心が満たされない。
第3段階は再配置期。
燃料切れ。迷い。行動量が落ちる谷。
ここで多くの人が、またガソリンを入れて走る。
そしてまた落ちる。
私も何度も戻った。
セミナーに通い、資格を取り、たくさんのお金と時間を投資した。
だが振り返れば、不安が燃料だった。
成果は出るのか。
評価は上がるのか。
取り残されないか。
第4段階に入ると何が起きるか。
焦らなくなる。
他人と比べる回数が減る。
「まあ大丈夫か」と思える。
夜ぐっすりと眠れる。
静かな回復だ。
そして第5段階。
ここが誤解されやすい。
第5段階は、すごい成果を出す人のことではない。
楽しいからやっている人のことだ。
やらなければならないからではない。
評価されたいからでもない。
不安を消すためでもない。
楽しい。
面白い。
好きだ。
そして結果として、人の役に立っている。
たとえば渡辺直美さん。
ビヨンセのモノマネでブレイクした。
普通ならその型を守る。
だが彼女はニューヨークへ行った。
求められる「面白い人」ではなく、
自分が面白いと思う表現を選んだ。
たぶん彼女は、
評価のためにやっていない。
楽しいからやっている。
ありのままでやっている。
そして結果として、多くの人が喜んでいる。
これが第5段階の特徴だ。
発明家も同じではないか。
評価のために発明するだろうか。
賞のために研究するだろうか。
おそらく違う。
面白いからやる。
知りたいからやる。
解きたいから解く。
楽しい。
そして結果として、世界を変えている。
発明家の母親には共通点があると言われている。
「あなたはあなたのままでいい」
この言葉を何千回も伝えているそうだ。
これは「無条件の愛」だ。
たしかに、幼少期にそう言われ続けた人は、第3段階で崩れにくい。
なぜか。
ここで少し、心を車に例えてみたい。
運転席には「感情」が座っている。
アクセルを踏むのも、ブレーキをかけるのも、ハンドルを握るのも感情だ。
助手席には「もう一人の自分」がいる。
理性、思考、いわばインナーペアレントだ。
第3段階は、成果が出なくなる時期。
評価が落ちるかもしれない。
思うようにいかない。
そのとき、助手席が何と言うかで人生が変わる。
幼少期から無条件の愛を受けて育った人は、
助手席がこう声をかける。
「大丈夫。結果が出なくても、あなたの価値は変わらない」
すると運転席の感情は、
多少揺れても、ハンドルを握り続けられる。
アクセルも踏み続けられる。
だから崩れにくい。
一方、条件付きの愛で育った場合、助手席はこう言う。
「結果を出さないとダメだろ」
「もっと頑張れ」
「価値が下がるぞ」
すると運転席はどうなるか。
不安でいっぱいになる。
ハンドルがぶれる。
アクセルが踏めない。
第3段階が苦しくなるのは、この構造だ。
つまり問題は、成果そのものではない。
助手席の声だ。
そして大事なのはここからだ。
幼少期に無条件の愛をもらえなかった人でも、
助手席の声は書き換えられる。
後天的に。
どうやってか。
一つは「出会い」だ。
人生のどこかで、
本気でこう言ってくれる人に出会うことがある。
「結果はダメだった。でもお前はダメじゃない」
「うまくいかなくても、価値は変わらない」
たった一人でいい。
その言葉が、助手席に座り直す。
もう一つは「習慣」だ。
最初は違和感がある。
・毎日日記を書く
・失敗した日の自分に「よくやってる」と書く
・朝の散歩で自分に声をかける
・ミスの後にセルフトークを意識する
繰り返すうちに、
助手席の声が変わり始める。
最初は「もっと頑張れ」しか言わなかった声が、
「今日はここまででもいい」
「よく耐えたな」
「次いこう」
と言い始める。
これは精神論ではない。
脳は繰り返された言葉を真実だと学習する。
幼少期に何千回も否定されたなら、
後天的に何千回も肯定すればいい。
時間はかかる。
だが、書き換えは可能だ。
だから第3段階は、
生まれで決まるわけではない。
助手席を育て直せるかどうか。
そこが分かれ目だ。
第3段階を乗り越える力は、生まれで決まるわけではない。
幼少期にもらった言葉は確かに影響する。
だが、それだけでは決まらない。
分かれ目はここだ。
自分の燃料を
「不安」から
「安心」に変えられるかどうか。
助手席の声が
「もっと結果を出せ」なのか、
「大丈夫。次いこう」なのか。
そこが違いを生む。
第3段階は、やり方では越えられない。
資格を増やしても、
スキルを磨いても、
SNSを学んでも、
助手席が不安のままなら、
またガソリンを入れて走り、
そしてまた止まる。
在り方が「不安」から「安心」に変わったとき、
燃料が変わる。
ガソリンから電気へ。
そして太陽光へ。
太陽光とは、
楽しいからやるという状態だ。
評価されたいからではない。
置いていかれたくないからでもない。
面白いからやる。
役に立てるのがうれしいからやる。
そのとき、人は疲れにくい。
私はこの構造を、多くの親や指導者に伝えたい。
第3段階で折れてしまう人を、何人も見てきた。
苦しみ続ける人も見てきた。
私自身も、長くそこにいた。
だから、これ以上増やしたくない。
第5段階に到達できる子どもたちを増やしたい。
そのために必要なのは、
子どもを変えることではない。
大人の助手席の声を変えることだ。
大人が太陽光で動いていれば、
子どもはそれを見て育つ。
楽しいからやっている背中は、
想像以上に強い教育になる。
さて、あなたは今、どの燃料で動いているだろうか。
もし今、谷の中にいるなら、
一人で苦しまなくていい。
助手席を書き換える作業は、
一人では難しいこともある。
必要なら、LINEでメッセージを送ってほしい。
一緒に、燃料を変えていこう。
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