勝ったあとに、なぜ準備は甘くなるのか

――それは「心が弱いから」ではありません

先日、中学サッカー部でメンタルセミナーを行いました。

その中で、選手からこんな言葉が出ました。

「最近、練習の準備や集合のスピードが、ちょっと甘い気がします」

私は内心、
「お、いいところに気づいたな」
と思いながら、答えは言わずに質問を重ねました。

「何でだと思う?」
「もう一段深く考えると?」
「それって、いつ頃からだと思う?」

少し間があって、ある選手がポツリと。

「新人戦で優勝して、どこかで“また勝てる”って思っている自分がいる気がします」

この瞬間、場の空気が少し変わりました。

慢心は“ダメな心”じゃない

「慢心」と聞くと、
・気が緩んでいる
・意識が低い
・喝を入れなきゃ
となりがちですが、実はこれ、とても自然な反応です。

人は成功すると、無意識のうちに
「前もできた」
「今回もたぶん大丈夫」
という前提を持ちます。

問題は気持ちではなく、
それが
・準備
・集合
・声かけ
といった日常の小さな行動に出てくること。

つまり、
準備が甘くなるのは
「心が弱いから」ではなく、
成長の途中でよく起きる現象なんです。

「じゃあ、どうする?」

気づきが出たあと、私はこう聞きました。

「課題がわかったなら、どんな対策が考えられる?」

すると出てきた答えは実にさまざま。

  • 次の目標を「関東大会優勝」にする
  • 目の前の一試合一試合を死ぬ気でやる

正解かどうかは重要ではありません。

大事なのは、
過去の勝利ではなく、これからの在り方
意識が戻ってきたこと。

ここで私は、
少しだけ話題をズラしました。

「心を整える」って、具体的に?

ワークの中で
「心を整えることが大事」という言葉が1人の選手から出たので
私はこんな質問をしました。

「部屋が散らかっていたら、心は整いますか?」

即答で「いいえ」。

「じゃあ、部室が散らかっていたら?」

これも即答で「いいえ」。

(この辺りで、
“あ、来たな”という空気が流れます)

そこでその選手に、こう尋ねました。

「じゃあ、部室を整えるリーダーになってくれますか?」

少し渋い顔をしながらも、
「はい」と答えてくれました。

すると、
選手たちから拍手。
コーチからも拍手。

本人も、周りも、
なんだか嬉しそう。

心は、行動と環境から整う

「心を整える」という言葉は、
とても大事ですが、
抽象的すぎると何も変わりません。

でも
・部室を整える
・準備を揃える
・集合を早める

こうした具体的な行動に落ちた瞬間、
心はあとからついてきます。

勝ったあとに準備が甘くなるのは、
責められることではありません。

むしろ、
「次のステージに進む準備が始まったサイン」。

あとは、
それに気づけるか。
行動を一つ変えられるか。

今回のセミナーでは、
答えを教えたわけではありません。

でも、
自分たちで気づき、
自分たちで一歩踏み出す場面がありました。

それだけで、
十分だと思っています。

(ちなみに、
部室はその後どうなったかというと……
それはまた、別の話で)

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