【事例紹介】Bチームの選手がトップ定着し、公式戦スタメンまで成長した1年間のプロセス
大学サッカーの現場では、「実力はあるのに、なぜか試合で力が出せない」という選手に出会うことがあります。
今回ご紹介するのは、そんな伸び悩みを抱えていた一人の上級生が、メンタル面の働きかけによって飛躍を遂げた事例です。
※個人が特定されないよう、一部内容を再構成しています。
■ 1.導入前の状態
彼は大学サッカー強豪校のBチームが主戦場でした。
実力は十分に持っているのに、不調が続くと自己批判が止まらず、心の中が「グルグル思考」でいっぱいになってしまう。
- 結果=自分の価値
- コーチや仲間の評価が気になる
- プレッシャー下で迷いが生まれる
試合に出るほど苦しくなり、「どうすればいいかわからない」という状態でした。
多くの選手が無意識のうちにこうした思考に陥り、実力発揮の妨げになってしまいます。
■ 2.取り組んだメンタルコーチング
この1年間で行ったのは、特別なテクニックではありません。
むしろ“心を整える土台づくり”に徹底的に向き合いました。
● 動機・価値観の言語化
「何のためにサッカーをするのか」を深掘りし、自分の軸をつくる。
● 不調時の対策設計
グルグル思考に入ったときの“立て直し方”を明確化しておく。
● 生活ルーティンの整備
睡眠、食事、部屋の整理など、パフォーマンスの基盤を整える。
● グループセッションでの学び
メンタル5要素や集中力トレーニングを通して、思考のクセに気づく。
こうした積み重ねは派手ではありませんが、選手の「再現性」を育てる最重要ポイントです。
■ 3.1年後の変化
取り組みを続けた結果、彼は5つのメンタル指標すべてで大きな変化を示し、驚くべき成果を手にしました。
- Bチームからトップ昇格
- 公式戦スタメン・フル出場
- シーズンを通して安定したパフォーマンスを発揮
選手本人はこう語っています。
「調子が悪い日でも、今できることに目を向けて立て直せるようになった」
「考えすぎず、プレーに集中できる時間が増えた」
これは偶然の成功ではなく、“再現性のある成長プロセス”です。
■4.指導者・保護者への示唆
この事例が伝えてくれるのは、「メンタルは才能ではなく、育てられるスキルである」ということです。
- 結果に振り回されず
- 不調でも崩れない土台があり
- 自分から立て直せる選手になる
これは誰にでも生み出せる成長です。
特別な才能が必要なのではなく、
“心の土台をどう整えるか” がカギになります。
■ 5.最後に
指導者の皆さんの中には、「メンタルコーチングは特別な選手のためのもの」と思われる方もいます。
しかし実際には、今回のように Bチームの選手がトップに定着する大きな変化 をサポートする力を持っています。
そしてこのプロセスは、他のチーム、他の年代にも応用可能です。
選手が自分の力を信じ、安定して力を発揮できるようになるために、
“心の環境づくり” を大切にしていきたいですね。
