「勝たせなきゃ…」から、「この先も続く」へ
― コーチングラボ受講生とのセッションで起きた小さな視点の変化 ―
これは、現在コーチングラボを受講中の指導者とのセッションの中で実際に起きたやり取りです。
特別な成功談ではありません。
でも、多くの指導現場にそのまま重なる「ごく普通の悩み」と「静かな変化」がありました。
「次の大会、どう指導すべきか分からなくなってきました」
新チームが始まり、大きな大会も見えてくる中で、
その指導者は少し迷っていました。
- 勝たせたい
- でも、この関わり方でいいのか分からない
- 目の前の試合に意識が引っ張られてしまう
どの指導者にも起きる、とても自然な悩みです。
そこで行ったのが、「タイムライン」を使った振り返りでした。
過去・現在・未来を一本の線でつなぎながら、今の位置を確認していきます。
「あ、大会って“通過点”なんですね」
話を整理していく中で、指導者の口から出た一言がこれでした。
「そうか……大会って“通過点”ですよね」
勝ち負けの先に、
- その子のサッカー人生が続いていくこと
- その子の人生そのものが続いていくこと
頭では分かっていたはずのことが、感覚としてストンと腑に落ちた瞬間でした。
この一言が出てから、表情が少し柔らかくなったのがとても印象的でした。
チームの今を「10点満点」で見てみる
次に取り組んだのは、チームの現状を10点満点で見てみること。
結果は「7点」。
「じゃあ、その“7点”を作っている要素は何ですか?」
そう問いかけると、こんな言葉が並びました。
- 調整力
- 成功体験
- 日常への置き換え
- 認知(どう捉えているか)
ただ「雰囲気がいい」「悪くない」ではなく、
チームを“言葉で分解できた”こと自体が大きな収穫でした。
主体性が弱いとき、どう関わるか
話題は「主体性」にも及びました。
主体性が高い選手には問いを投げる。
主体性がまだ育っていない選手には、いくつかの“選択肢”を用意する。
そして試合前は、
ただ頭で考えさせるのではなく、
体を動かしながらプレーをイメージさせる。
ほんの少し関わり方を変えるだけで、
選手の反応は驚くほど変わってきます。
成長は「見えたとき」に、一気に加速する
選手の成長をどう可視化するか、という話も出ました。
- 付箋で「伸びたこと」を貼り出す
- 高学年には「今、どんな選手になりたいか」を言葉にしてもらう
成長は、
本人に“見えた瞬間”に一気に加速します。
これはどのカテゴリーでも共通の原則です。
「教える」から「学びが生まれる場」へ
セッションの後半では、こんな話にもなりました。
- 個人を見るだけでなく、チーム全体を育てたい
- 「教える指導」から「学びが生まれる指導」へ移りたい
いわゆる
ティーチャーセンタードから、ラーナーセンタードへ。
急に大きく変える必要はありません。
できるところから、小さく。
その積み重ねが、チームの文化を変えていきます。
指導は、いつも「途中」でいい
今回のセッションで一番印象に残ったのは、
「正解を出そうとしすぎなくていい」という空気でした。
- 試行錯誤していい
- 迷っていい
- 途中で立ち止まって、また考え直していい
指導も、選手と同じで、いつも“途中”です。
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