生徒の「伝える力」を育む:コミュニケーションセミナーの実践から
先日、中学校で実施したコミュニケーションセミナーの様子をご紹介します。テーマは「自分の気持ちを言葉にする力を育てる」。これは、サッカーの指導現場だけでなく、教室でもとても重要な力です。
セミナーの目的は「将来の土台をつくること」
このセミナーの主な狙いは、以下の2点です。
- 生徒が自分の気分や感情を客観的に見つめ、言語化する練習をすること
- 将来、学業や職業生活においても役立つ「コミュニケーション力」の基礎を築くこと
特別なスキルは必要ありません。日常の中で少しだけ「自分の感情に気づき、伝える」練習を積み重ねていく、それが大切なのです。
実際の取り組み内容
セミナーでは、まず生徒たちに「今の自分の気分は前向きか後ろ向きか?」を問いかけ、そう感じる理由を言葉にしてもらいました。
その後、以下のようなアクティビティに取り組みました。
- アサーティブ・コミュニケーションの基本を学び、実践する
- ネガティブな感情にとらわれたとき、「別の見方」を探してみる練習
- Iメッセージを使って、自分の気持ちを相手に伝える練習
- 特定の人間関係の改善を、本人たちとクラス全体で支援する試み
- 感情コントロールの基本的な考え方を学ぶ
- セミナー後にアンケートを通じて振り返りを行う
指導者にとってのヒント
このような取り組みは、クラスやチームの雰囲気を良くするだけでなく、指導者自身の関わり方を見直す良い機会にもなります。
- 感情に名前をつけることは、指導の第一歩
- 対話の質を高めるには、伝え方より「受け止め方」の工夫も重要
- 問題のある人間関係に対して、「クラス(チーム)全体で支援する」視点を持つことで、当事者の変化が早まる
まとめ
私たちが日々接している子どもたちは、心の扱い方を学ぶ機会が少ないのが現実です。だからこそ、こうしたセミナーや日常の中での関わりを通して、「気づき」「表現し」「関係を育てる」力を育んでいきたい。
心を育てるのは、指導者のまなざしと日々の声かけです。ぜひ皆さんの現場でも、ちょっとした問いかけから始めてみてください。