※このブログは大学サッカー部のメンタルセッションをもとに書いています。内容は個人が特定されないよう一部変更しています。
先日、ある大学サッカー部の選手と対話をしました。
その選手は、大学に入った当初、いわゆる下のカテゴリーからスタートしました。
大学サッカーでは珍しいことではありません。
最初は試合に絡めない。
思うように評価されない。
自信も揺らぐ。
そんな時間を経験しながら、少しずつ上のカテゴリーへと上がっていきました。
そして今はトップチームの一員としてプレーしています。
セッションの中で、私はこんな質問をしました。
「カテゴリーが上がると、サッカーの見え方は変わりましたか?」
すると彼は少し考えてからこう言いました。
「プレーだけじゃなくて、チームを見るようになりました」
プレーの視点からチームの視点へ
多くの選手は、最初はこう考えます。
自分が活躍すること。
自分が結果を出すこと。
自分が評価されること。
これは悪いことではありません。
むしろ自然なことです。
ただ、ある段階から視点が変わってきます。
「自分がどうプレーするか」から
「チームがどう機能するか」へ。
例えば
誰にボールが入るとチームが動き出すのか。
誰が声を出すと雰囲気が変わるのか。
どの瞬間にチームの集中が切れるのか。
そういうことが見えるようになってきます。
共同体感覚という考え方
心理学者アドラーは
「共同体感覚」という言葉を使いました。
簡単に言うと
自分はチームの一員であり
自分の行動がチームに影響している
という感覚です。
この感覚が育つと、選手の視点は少し変わります。
自分がどう見られるかではなく
自分がチームに何を与えられるか
という問いが自然に生まれてきます。
チームを変えるのは特別な選手ではない
面白いのは、こういう視点を持つ選手が必ずしもスター選手とは限らないことです。
むしろ
地道に努力してきた選手
下のカテゴリーを経験してきた選手
の方が、チームの構造をよく理解していることがあります。
いろいろな立場を経験しているからです。
チームが変わるとき
サッカーのチームは、不思議なもので
戦術が変わるときもありますが
視点が変わるときにも変わります。
選手の中に
「チームのことを考える視点」
が増えてくると、チームの空気が少しずつ変わっていきます。
それは劇的な変化ではありません。
でも、静かに効いてきます。
最後に
セッションの最後に、私はその選手に聞きました。
「後輩たちに残したいものはありますか?」
彼は少し笑って、こう言いました。
「ちゃんとサッカーを考えるチームにしたいですね」
この言葉を聞いて、私は少し嬉しくなりました。
チームを強くするのは
特別な戦術だけではありません。
考える選手が増えること
それも大きな力になります。
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