指導者の方と話していると
こんな言葉を聞くことがあります。
ちゃんとやってきた。
学んできた。
結果もそれなりに出してきた。
それなのに
最近どこか苦しい。
以前ほど手応えがない。
もし今
そんな感覚があるなら
それは後退ではありません。
指導者として、次の段階に入ろうとしているサイン
かもしれません。
指導者は、他人軸になりやすい仕事です
指導者という立場は
どうしても他人軸になりやすい仕事です。
選手の成長。
勝敗。
保護者の目。
学校やクラブの期待。
「ちゃんとした指導者であろう」とするほど
無意識に力が入り続けます。
その原動力の多くは
不安 です。
指導力がないと思われたくない。
結果を出さなければ認められない。
手を抜いていると思われたくない。
この不安は
短期的には力になります。
でも
長く続けると
必ず消耗します。
問題は、努力不足ではありません
ここで
はっきり言っておきたいことがあります。
しんどくなったのは
努力が足りないからではありません。
指導力がないからでもありません。
エネルギー源が、ずっと不安のままだった
それだけです。
ガソリンを踏み続ければ
一時的には速く走れます。
でも
長距離は走れない。
ガス欠します。
人生も
指導も
同じだと思います。
自分軸に戻るとは、力を抜くことではない
自分軸に戻るというと
楽をすること
手を抜くこと
そう思われがちです。
でも
そうではありません。
自分の強みと弱みを理解した上で
余計な力を使わない指導
に切り替えること。
比較ではなく
1人ひとりの成長に集中する。
その結果
省エネなのに
パフォーマンスが上がっていく。
他人軸から自分軸へ戻る5段階プロセス
多くの指導者が
次のような段階を通ります。
第1段階
評価や結果を原動力に必死で頑張る。正解を探し続ける。
第2段階
成果は出るが消耗が大きい。常に緊張している。
第3段階(峠)
このままでは続かないと気づく。でも戻るのも怖い。
第4段階
整えることを優先し始める。対話が増え、頼まれごとが増える。
第5段階
安心がエネルギー源になる。チームの空気が自然に整う。
五段階目にいる人は、派手ではありません
五段階目というと
特別な人を想像しがちです。
例えば
長谷部誠
や
イチロー。
確かに
分かりやすい例です。
でも
五段階目の本質は
成功や実績ではありません。
共通しているのは
自分を大きく見せようとしないこと。
不安を原動力にしていないこと。
実は、身近な現場にも五段階目の人はいます
最近
ある学校の先生と
やり取りをする中で
強く感じたことがあります。
急かさない。
詰めない。
正解を押し付けない。
でも
判断は明確。
「いつでもご連絡ください」
「進展があればお知らせします」
その文面から
安心がにじんでいました。
五段階目の人は
相手をリソースフルにする関わり方
を自然にしています。
派手ではない。
でも
場が整っていく。
私自身、何度も戻ってきました
ここで
少しだけ
私自身の話をします。
私は
このプロセスを
一直線に進んできたわけではありません。
第1段階から第3段階まで行って
また第1段階に戻る。
それを
何度も繰り返してきました。
頑張り直して
無理をして
また消耗する。
正直
遠回りだったと思います。
だからこそ
分かることがあります。
三段階目で揺れるのは、普通。
むしろ
真剣に指導と向き合ってきた証拠。
今の私は
ようやく
第4段階の入り口に立っている感覚
があります。
三段階目を越える人が少ない理由
三段階目を越える人は
多くありません。
才能でも
指導歴でもありません。
怖いから
それだけです。
評価が下がるかもしれない。
結果が出ないかもしれない。
立場が変わるかもしれない。
だから
多くの人は
不安に戻ります。
五段階目は、特別な人の場所ではない
五段階目は
成功の頂点ではありません。
不安を燃料にするのをやめた状態
それだけです。
学校の先生でも
地域クラブの指導者でも
五段階で指導している人は
確かにいます。
静かで
穏やかで
でも
信頼されている人。
燃料が恐れではなく愛だからです。
今、迷っている指導者の方へ
もし今
指導が少し苦しいなら。
それは
間違っているからではありません。
次の段階に向かっている途中
それだけです。
焦らなくていい。
答えを急がなくていい。
まずは
「燃料を変える選択肢がある」
私もそれを知ることから少しずつですが
変化が起きました。
指導が苦しくなったときは、
自分を責める前に
「今、何を燃料にしているか」
だけを一度見直してみてください。
この五段階プロセスは、
これまで書いてきた
「他人軸から自分軸へ」
「整っていると力は出る」
というテーマを一本につなぐ考え方です。
今後も、現場の具体例を交えながら
少しずつ書いていきます。
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