〜負け試合の振り返りから見えた、本当の課題〜
0-3で負けた試合のあと。
ロッカールームでキャプテンが、こんな振り返りをしてくれました。
- 声を出して、ポジション取りをはっきりさせること
- 切り替えのところで、もっと激しくいくこと
- でも、つなぐところはつないで、はっきりするところははっきりする
- それと、マイボールの時間がすごく短かった
さらに個人の反省として、
- 周りへのディフェンスの声かけが足りなかった
- 攻撃の起点になるワンタッチや当てパスが少なかった
- 1人がプレスに行った時、周りも連動できたらよかった
正直に言って、
「高校生で、ここまで構造的に振り返れるのはすごいな」
と、ちょっと感心してしまいました。
そのあと、監督が一言。
勝った試合より、負けた試合の方が学びは多い。
本当に、その通りだと思います。
課題①「声が出ない」の正体は、合図が決まっていないこと
よくある指導の声かけ。
- もっと声を出せ
- 行くならみんなで行け
でも今回の試合をよく見ると、問題はここでした。
いつプレスに行くのか、チームで決まっていない。
だから1人が行っても、周りは一瞬迷う。
- 行く?
- まだ待つ?
この0.5秒の迷いで、連動が遅れる。
結果として「声が出ていないように見える」。
でも実際は、
判断材料がなくて声を出せない状態なんです。
▶ 明日からできる改善
チームでこれだけ決めれば十分です。
プレスに行く合図を3つ決める。
例えば、
- 相手のトラップが大きい時
- タッチラインに追い込めた時
- 後ろ向きでボールを受けた時
このどれかが起きたら、
近い2人は必ず前に出る。
こう決めておくだけで、
- 判断が速くなる
- 声も自然に出る
- 守備が連動し始める
「気合を入れる前に、判断をそろえる」。
これが最初の一歩です。
課題② 切り替えが遅いのは、攻撃時の立ち位置の問題
「切り替えが遅い」
これもよく出る反省ですが、実際に多い原因はこれです。
攻撃の時に、全員が前に行きすぎている。
そうなると、奪われた瞬間に、
- 誰が最初に行くのか
- 誰がカバーに入るのか
が決まっていない。
だから一瞬止まる。
これは気持ちの問題ではなく、準備の問題です。
▶ 明日からできる改善
攻撃の時から、役割を決めておきます。
例えば、
- ボール近くの2人 → 失ったら即プレス
- それ以外の選手 → コースを切りながら戻る
これを決めておくだけで、
切り替えは“考える”から“反射”に変わります。
切り替えは、
奪われた後の話ではなく、
攻めている時から始まっているんですね。
課題③「前に行けない」より「マイボールが続かない」
今回の振り返りで、一番大事だった言葉がこれ。
マイボールの時間が短かった
マイボールの時間が短いということは、
- 前向きで受けられる人がいない
- ボールを持った瞬間に囲まれている
- 常に無理な判断をしている
という状態。
こうなると、
- ミスが増える
- すぐ奪われる
- また守備になる
当然、メンタルも削られていきます。
でもこれは、
心が弱いからボールを失う
ではなく
形が作れず苦しい判断が続いた結果、心が削られていく
という順番なんです。
▶ 明日からできる改善
ポイントは1つだけ。
前向きで受けられる選手を、必ず1か所作る。
例えば、
- ボランチが持ったらトップ下が必ず飛び出す
- CBが持ったらSBが先に動く
「誰が前を向いて受ける役なのか」を決めるだけで、
- パスコースが増える
- マイボールの時間が伸びる
- 攻撃に落ち着きが出る
すると不思議と、
選手の表情も、声も、変わってきます。
メンタルは、戦術のあとについてくる
私はメンタルコーチとして現場に入っていますが、
最近つくづく思うのはこれです。
心を強くしようとする前に、
安心して判断できる状況を作ること。
- 何を合図に守備に行くのか
- 奪われたら誰が最初に動くのか
- マイボールの時、誰が前を向くのか
これが整理されると、
- 迷いが減る
- 声が出る
- チームがつながる
結果として、
「メンタルが強いチーム」に見えてくる。
でもそれは、
気合で作った強さではなく、
構造が作った自信なんだと思います。
負け試合は、チームが伸びる入口
0-3で負けた試合。
でも私は、かなり希望を感じています。
なぜなら、
- 選手が具体的に課題を言語化できている
- 感情論ではなくプレー内容を見ている
- 監督も「学び」に目を向けている
この3つがそろっているから。
勝った試合は気持ちいい。
でも、チームが本当に変わるのは、
たいてい負けた試合のあとです。
あとは、その学びを
「もっと頑張ろう」で終わらせず、
次の試合で何を変えるかまで落とし込めるか。
そこに、チームの伸びしろがあります。
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