「教えない」って、実際どうやるの?

― コーチングラボつくば最終回で起きたこと

「教えない指導が大事ですよね」

この言葉、もう何年も前から聞いています。
たぶん、この記事を読んでくれている方も
一度は聞いたことがあると思います。

でも正直なところ——
じゃあ現場で実際どうやるの?
ここが一番むずかしい。

先日、コーチングラボつくばの最終回を終えて、
真っ先に頭に浮かんだのは、こんな言葉でした。

「ああ、俺もまだまだだなぁ」(笑)


つい、言っちゃうんですよね

選手が少し詰まった瞬間。
間が空いた瞬間。

頭の中では、すぐに声が聞こえてきます。

「いや、今のはこうでしょ」
「そこはもっと…」
「違う違う、そうじゃなくて」

……はい、全部、僕自身が何度もやってきたことです。

「教えない方がいい」
そう分かっていても、
目の前の沈黙に耐えきれず、
つい“正解”を差し出したくなる。

今回のラボでも、
その誘惑は何度もやってきました。


そこで出てきた、たった一言

でも今回は、
そこをぐっとこらえて、
代わりにこんな問いを投げてみました。

「それって、何がきっかけになったと思う?」

すると、場の空気がふっと変わったんです。

選手が少し考えて、
自分の言葉で話し始めました。

その瞬間、思いました。

あ、これか。
“教えない”って、何もしないことじゃなくて、
“待つ勇気”なんだな。


ちなみに、待ってる側は落ち着きません(笑)

ここで正直に言うと、
待っている間のコーチの心境は、
けっこうソワソワします。

「変な方向に行かないかな」
「時間、かかりすぎてないかな」
「俺、今サボってると思われてないかな」

……全部、余計な心配です。

でも、そのソワソワを超えた先で、
選手の表情や言葉が
少しずつ変わっていくのを感じました。


うまくいく日は、だいたいコーチが頑張りすぎていない

今回あらためて感じたのは、これです。

ファシリテーションがうまくいった日は、
だいたい私が頑張りすぎていない。

逆に言うと、
空回りする日は、
私の肩に力が入りすぎている。

実はこれ、
選手に言っていることと同じなんですよね。

「力抜け」
「リラックスしろ」
と言いながら、
一番力が入っているのは自分だったりする。

なので最近は、
練習中に意識的に深呼吸しています。
はい、私がです(笑)。


「教えない」は、完璧じゃなくていい

「教えない指導」は、
きれいにできるものでも、
一発で身につくものでもありません。

私自身、
毎回試行錯誤ですし、
正直、失敗もたくさんしています。

でも、
ほんの一呼吸置くだけで、
現場が変わる瞬間がある。

コーチングラボつくばの最終回は、
そんなことを改めて思い出させてくれました。


実際のやり取りを見たい方へ(限定公開)

今回のラボの様子は、
指導者向けに限定公開で動画に残しています。

文章だけでは伝わりにくい
問いの投げ方や、間の取り方、
場の空気感を、そのまま感じてもらえると思います。

▶︎ コーチングラボつくば 最終回・限定公開動画
https://youtu.be/nMTXjkpuYkQ

※学びの共有を目的とした限定公開です。


さて、
最近のあなたの現場ではどうでしょうか。

・教えすぎていませんか?
・先回りしすぎていませんか?
・少し待つ余白、ありますか?

完璧じゃなくていい。
一緒に試行錯誤していけたらと思います。

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